◎マリ政府は約9カ月前の軍事クーデターで一掃され、バ・ヌダウ氏が暫定大統領、モクタール・ウアン氏が暫定首相に就任したばかりだった。
2021年5月24日/マリ、首都バマコ、マリ共和国のバ・ヌダウ大統領(ロイター通信)

5月24日、アフリカ連合(AU)と国連は声明で、マリ共和国の暫定大統領と暫定首相が反乱軍に拘束されたと述べた。

マリ政府は約9カ月前の軍事クーデターで一掃され、バ・ヌダウ氏が暫定大統領、モクタール・ウアン氏が暫定首相に就任したばかりだった。

西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は関係諸国との共同声明の中で、ヌダウ大統領とウアン首相の即時釈放を求めた。

共同声明に署名した各国政府は、マリの民主的な移行を再開し、約束された期間内に民主的な議会選挙を行うよう要求した。

ECOWASは、「国際社会は強制的な辞任を含むクーデターを決して認めず、今日取られた軽率な行動はマリへの支援を弱める可能性がある」と警告した。

国連はマリの平和維持ミッションに年間約12億ドル(約1,300億円)を費やしており、来年2月までに民主的な選挙で新議会を組織するよう求めている。

軍事クーデターを決行した反乱軍は昨年、国際的な圧力の高まり受け、文民暫定政府に権力を譲渡することに合意した。反乱軍の兵士たちは昨年放送された国営テレビのインタビューの中で、国民を救済するための全国委員会を設置し、新しい文民政府を確立すると約束したが、24日の事件でその約束が守られるかどうかは分からなくなった。

現地メディアによると、反乱軍は暫定政府が新しい閣僚を発表してから1時間も経たないうちに行動を開始したという。軍の支持者と考えられているモディボ・コネ内相とサディオ・カマラ国防相は拘束されなかったと伝えられており、メディアは「暫定政府内の分裂が拡大し反乱につながった」と報じた。

マリとフランスが主導する連合軍は、アルカイダとイスラム国(IS)に関連するジハード軍を封じ込める作戦をサヘル地域で展開しているが、今回の事件を含む過去1年間の混乱は作戦に影響を与える可能性があるという懸念を高めている。

2012年のクーデター後、イスラム過激派組織はマリ北部の主要な町を支配した。かつての植民地支配国であるフランスは2013年に軍事介入し、過激派を町から追い出した。マリとフランス連合軍は農村地域で主に活動しており、定期的に道路や都市で暴れる過激派および反政府勢力との戦いを続けている。

2006年9月21日/国連総会第61回会合で演説するマリのモクタール・ウアン外務・国際協力大臣(当時)(AP通信/フランク・フランクリン)
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