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ブラジル政府、アプリ配送運転手向けの低利融資制度を開始

新制度では、女性ドライバー向けに年11.5%、男性向けに年12.5%の金利を適用する。
ブラジル、最大都市サンパウロ、バイク便(Getty Images/AFP通信)

ブラジル政府は12日、アプリを利用して配達業務を行うドライバー向けに、オートバイ購入を支援する低利融資制度を開始すると発表した。急速に拡大する配送プラットフォーム労働者の就業環境改善と個人消費の下支えを狙った政策で、国営金融機関を通じて最大25億レアル(約780億円)の融資を見込む。

新制度では、女性ドライバー向けに年11.5%、男性向けに年12.5%の金利を適用する。これは中央銀行の政策金利である14.5%を下回る水準となる。融資は国営のブラジル連邦貯蓄銀行(カイシャ・エコノミカ・フェデラル)とブラジル銀行が行い、政府系基金が損失の一部を補填することで信用リスクを軽減する仕組みだ。

対象となるのは配達アプリに登録し、少なくとも6カ月間活動実績を持つドライバーで、100件以上の配送または乗車実績が求められる。融資は国内で製造された新車のオートバイ購入に利用でき、電動モデルも対象に含まれる。さらに、自転車配達員やバイク便従事者、同一企業に6カ月以上勤務するタクシー運転手も利用可能となる。返済開始まで2カ月の据え置き期間が設けられ、最長48カ月で返済する。

今回の施策は、ルラ政権が進める需要刺激策の一環と位置付けられる。政府は今年に入り、家計債務の再編支援やトラック購入促進策、配車サービス運転手向け融資制度などを相次いで打ち出している。5月には配車アプリ運転手やタクシー事業者向けに最大300億レアルの低利融資枠を創設、今回の制度はその流れを引き継ぐものとなる。

一方で、こうした需要喚起策に対しては市場関係者から懸念の声も上がる。ブラジルの年間インフレ率は4.72%と中銀の目標である3%を上回り、追加的な景気刺激が物価上昇圧力を高める可能性が指摘されている。民間金融機関の一部は、政府の一連の施策が今年の国内総生産(GDP)の約1%に相当する資金を経済に流入させるとの試算を示している。

10月の大統領選を控え、4期目を目指すルラ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領は所得向上と雇用支援を重視する姿勢を鮮明にしている。新たな融資制度は配送サービス市場の拡大で増加したプラットフォーム労働者を支援すると同時に、国内二輪車産業や消費活動の活性化につながるかが注目される。

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