マリ軍政、主要都市以外での大型バイクの販売および使用禁じる、過激派対策
国営テレビで発表された政令によると、規制対象となるのは排気量125cc以上のオートバイで、首都バマコなど主要都市を除く地域での販売と利用が禁止される。
.jpg)
アフリカ西部・マリの軍事政権は4日、イスラム過激派によるテロ攻撃の抑制を目的として、主要都市以外での大型オートバイの販売および使用を禁止するとともに、全国35カ所を「軍事上の重要区域」に指定し、民間人の立ち入りを禁止すると発表した。治安悪化が続く中での異例の措置であり、軍政が武装勢力への対応を一段と強化する姿勢を示した形だ。
国営テレビで発表された政令によると、規制対象となるのは排気量125cc以上のオートバイで、首都バマコなど主要都市を除く地域での販売と利用が禁止される。マリでは道路網が十分に整備されていない地域が多く、オートバイは住民にとって重要な移動手段となっている。一方で、イスラム過激派も広大なサヘル地帯を高速で移動するためにバイクを活用しており、軍や物流車列への襲撃後に素早く撤退する手段として利用している。軍政は今回の規制によって武装勢力の機動力を低下させる狙いがあるとしている。
また軍政は中部、南部、西部に位置する森林地帯を中心に35カ所を軍事区域に指定した。これらの地域は武装勢力の潜伏拠点となる可能性が高く、軍が重点的な監視や攻撃を実施する区域となる。政令では、軍が区域内のあらゆる拠点を標的とする方針が示され、一般市民の立ち入りは禁じられた。
今回の措置の背景には、4月に発生した武装勢力の大規模攻勢がある。国際テロ組織アルカイダ系の組織「JNIM(イスラム・ムスリムの支援団)」と分離独立を掲げる「アザワド解放戦線(FLA)」はバマコへの包囲作戦や北部の要衝キダルの制圧など、一連の攻撃を展開した。さらに当時の国防相も攻撃によって死亡し、軍政に大きな打撃を与えた。
マリでは2020年の軍事クーデター以降、軍政が統治を続けている。政権は治安回復を最優先課題に掲げてきたが、近年はイスラム過激派の活動が拡大し、各地で襲撃事件が頻発している。軍政はフランス軍や国連部隊との協力関係を打ち切り、ロシア系部隊との連携を強めているものの、治安情勢は依然として不安定なままだ。専門家の間では、今回の規制が武装勢力の活動を一定程度制限する可能性がある一方、日常生活をオートバイに依存する地方住民への影響も大きいとの指摘が出ている。軍政は今後、治安維持と住民生活の両立という難しい課題への対応を迫られることになりそうだ。
.jpg)
