2028年までのEU加盟目指すモンテネグロ、課題も
モンテネグロは2006年にセルビアとの国家連合から独立し、2008年にEU加盟を申請した。
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バルカン半島の小国モンテネグロが欧州連合(EU)の次期加盟国として最有力候補に浮上している。人口約63万人の同国は、2028年までのEU加盟を国家目標に掲げており、加盟交渉でも西バルカン諸国の中で最も進んだ位置にある。しかし、汚職対策や司法制度改革などの課題は残されており、目標達成にはさらなる政治改革が求められている。
モンテネグロは2006年にセルビアとの国家連合から独立し、2008年にEU加盟を申請した。2012年に加盟交渉を開始して以降、33の交渉分野すべてを開設し、これまでに14分野を暫定的に完了している。EUは今年4月、加盟条約の起草作業に着手するための作業部会設置を承認し、同国の加盟プロセスは新たな段階に入った。
政府は「28 by 28(2028年までに28番目の加盟国へ)」をスローガンに掲げ、EU加盟を経済発展と安全保障の柱として推進している。ロシアによるウクライナ侵攻以降、EUでは拡大政策を重視する動きが強まり、モンテネグロもその流れを追い風として活用したい考えだ。
一方で、加盟実現への道のりは平坦ではない。EU関係者や専門家は司法の独立性確保や法の支配の強化、汚職撲滅が最大の課題だと指摘している。特に旧政権時代には国家機構と特定勢力との癒着が問題視され、「国家の私物化」とも呼ばれる状況が続いた。EUは近年、一部加盟国で法の支配が後退した反省から、新規加盟国に対してより厳格な基準を適用する方針を示している。
外交面では、モンテネグロはかつてロシアと比較的良好な関係を維持していたが、2016年のクーデター未遂事件や2017年の北大西洋条約機構(NATO)加盟を契機に西側に大きく傾いた。2022年のウクライナ侵攻後にはEUの対ロシア制裁にも全面的に同調し、欧州・大西洋路線を明確にしている。
世論調査では国民の8割以上がEU加盟を支持している。EU指導部もモンテネグロを西バルカン地域における拡大政策の成功例と位置付け、加盟交渉の進展に期待を寄せる。ただし、最終的な加盟には改革成果を具体的に示し続ける必要があり、2028年という目標の実現は今後2年間の政治的取り組みにかかっている。
