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コンゴ・エボラ流行、WHOが警告「対策を上回る速度で拡散」

感染経路を追跡できない状況は、地域社会の中で把握されていない感染が広範囲に存在する可能性を示しており、封じ込めを一段と困難にしている。
2026年6月2日/コンゴ民主共和国、北東部イトゥリ州ブニアの医療センター(ロイター通信)

コンゴ民主共和国東部で発生している「エボラ出血熱」の流行が止まらない。世界保健機関(WHO)は14日、新たに確認される感染者の約8割が既知の感染者との接触歴を把握できない「感染経路不明」の事例で占められていると明らかにし、流行が対策を上回る速度で広がっているとの危機感を示した。

感染経路を追跡できない状況は、地域社会の中で把握されていない感染が広範囲に存在する可能性を示しており、封じ込めを一段と困難にしている。

今回の流行は5月中旬に確認されて以降、北東部イトゥリ州を中心に北キブ州や南キブ州へ拡大し、さらにオー・​ウエレ州やチョポ州でも感染が報告されている。これまでに1900人以上の確定症例と700人を超える死者が確認され、アフリカ疾病対策センター(Africa CDC)はアフリカで最も急速に拡大しているエボラ流行の一つだと警告している。また隣国ウガンダでも感染者が見つかるなど、国境を越えた監視体制の強化も課題となっている。

WHOによると、特に深刻なのは、多くの患者が医療機関を受診しないまま地域社会で死亡している点である。感染が確認される前に死亡するケースでは接触者の特定が難しく、感染の連鎖を断ち切るための追跡調査が十分に機能しない。こうした状況が感染経路不明の患者増加につながり、流行の実態把握をさらに難しくしている。WHOは実際の感染者数が公式統計の2倍から4倍に上る可能性もあると指摘している。

対応を阻む要因は医療面だけではない。現地では武装勢力による治安悪化や医療施設への襲撃、住民の不信感に加え、対応に当たる医療従事者への給与未払い問題も発生し、一部で抗議活動やストライキが起きている。さらに、WHOが必要とする資金の約4割しか確保できておらず、国際社会からの継続的な支援が不可欠な状況となっている。

今回の流行は承認済みのワクチンや特効薬がない「ブンディブギョ株」によるものである。このため、コンゴでは実験的な抗ウイルス薬を用いた臨床試験も始まり、治療法の確立に向けた取り組みが進められている。しかし、流行の拡大速度は依然として対策を上回っており、WHOは感染者の早期発見、接触者追跡、十分な資金と人員の確保を急がなければ、さらなる感染拡大を招く恐れがあるとして国際社会に支援強化を呼びかけている。

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