◎エジプト経済は長年にわたる政府の緊縮財政、コロナウイルスの流行、ウクライナ戦争、そしてガザ紛争の影響を強く受け、インフレが加速。人口の大多数を占める低中所得者層が食料の確保に苦労している。
エジプト、首都カイロの市場(Getty Images)

国際通貨基金(IMF)の理事会は29日、エジプトへの融資を30億ドルから80億ドルに増額することを承認した。

それによると、理事会はこの増額に合わせて8億2000万ドルを融資することも認めた。

エジプト政府は今月初め、IMF代表団と融資増額で合意したと発表していた。

IMF理事会は声明で、「エジプト政府が示した複数の財政健全化計画に基づき、増額を承認した」と述べている。

エジプト中央銀行は今月、主要政策金利を6%引き上げ、27.75%とした。

融資増額発表後、エジプト・ポンド(EP)の投げ売りが始まり、数時間で「1ドル=30EP」から「1ドル=50EP」まで急落。現在は47EP前後で取引されている。

エジプト経済は長年にわたる政府の緊縮財政、コロナウイルスの流行、ウクライナ戦争、そしてガザ紛争の影響を強く受け、インフレが加速。人口の大多数を占める低中所得者層が食料の確保に苦労している。

エジプト経済の柱であるスエズ運河の収入はイエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海船舶への無差別攻撃で大幅に減少。改善の見通しは立っていない。

多くの企業が紅海ルートを避け、コストのかかる喜望峰ルートへの変更を余儀なくされている。

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