ガーナ議会、LGBTQ+関連活動を禁じる法案可決
LGBTQ+活動を「推進」「支援」「擁護」した場合、最大10年の禁錮刑が科される可能性がある。
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アフリカ西部・ガーナで29日、LGBTQ+(性的少数者)に関する活動や権利擁護を厳しく取り締まる法案が議会で可決され、国内外で大きな波紋を広げている。法案は「人間の性的権利および家族価値法案」と名付けられ、同性愛行為だけでなく、LGBTQ+に関する支援や啓発活動、資金提供なども処罰対象とする内容を含む。
法案によると、LGBTQ+活動を「推進」「支援」「擁護」した場合、最大10年の禁錮刑が科される可能性がある。また、同性間の性的関係についても3年以下の禁錮刑が規定されている。さらに、LGBTQ+団体への資金提供や関連活動への支援も処罰対象となり、当局への通報義務を設ける条項も盛り込まれた。
この法案は宗教団体や保守系政治家らが長年推進してきたもので、支持者は「ガーナの伝統的な家族観や文化的価値観を守るために必要だ」と主張している。ガーナではキリスト教徒やイスラム教徒が人口の大半を占め、同性婚や性的少数者への権利拡大に否定的な世論が根強い。議会では与野党を超えた支持が集まり、圧倒的賛成多数で可決された。
一方で、人権団体や国際機関は強く反発している。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は29日、この法案が表現の自由やプライバシーの権利、差別を受けない権利を侵害すると批判し、大統領に署名を見送るよう求めた。活動家らは法案の成立によって性的少数者への暴力や差別がさらに助長される恐れがあると警告している。
ガーナではすでに植民地時代に導入された法律によって同性間の性的関係が禁じられている。しかし今回の法案は、個人の行為だけでなく、権利擁護活動や支援行為まで処罰対象を拡大する点で、アフリカでも特に厳しい法制度の一つとみなされている。
経済面への影響も懸念されている。過去に同様の法案が可決された際、財務省は法制化によって国際的な開発援助や融資が減少し、数十億ドル規模の資金支援を失う可能性があると警告した。欧米諸国の一部も、人権状況の悪化に強い懸念を示している。
法案は今後、大統領の署名を経て正式に成立する見通しだ。アフリカでは近年、ウガンダやセネガルなどでも反LGBTQ法制の強化が進んでおり、ガーナの動きは地域全体の人権状況をめぐる議論にも影響を与えそうだ。支持者が「文化的価値観の保護」を掲げる一方、反対派は「基本的人権への重大な侵害」だと訴え、対立が続いている。
