エチオピア軍、ティグレ州の要衝アラマタを掌握か、和平合意崩壊で内戦再燃
アラマタはティグレ州南部と隣接するアムハラ州の境界近くに位置し、兵員や食料、燃料などの補給拠点となっている。
.jpg)
エチオピア北部ティグレ州で戦闘が再び激化する中、国軍と親政府民兵が州都メケレの南方約120キロに位置する要衝アラマタを制圧した。現地メディアが29日に報じた。
ロイター通信によると、エチオピア国旗を掲げた兵士らがアラマタの市街地に入ったという。AP通信は情報筋の話しとして、「ティグレ人民解放戦線(TPLF)などの武装勢力はアラマタから撤退した」と伝えている。
アラマタはティグレ州南部と隣接するアムハラ州の境界近くに位置し、兵員や食料、燃料などの補給拠点となっている。2020~22年の内戦でも支配勢力が何度も入れ替わった都市であり、今回の制圧が事実なら、国軍がメケレ方面へ進む上で重要な足場となる。
今回の戦闘はアビー(Abiy Ahmed)首相率いる連邦政府と、かつてエチオピア政治を約30年間支配したTPLFとの対立を背景としている。両者は2022年11月、南アフリカのプレトリアで和平合意を結び、2年間に及んだ内戦を終結させた。しかし、その後も合意違反をめぐる非難が続き、TPLFは今回の攻勢開始の3日前、政府打倒を目的とする国内6武装勢力との連携を発表していた。
国軍はTPLFを支援しているとして、隣国エリトリア、スーダン、エジプトを非難している。これに対し、エリトリアとスーダンは関与を否定し、エジプトも地域の平和と安定を損なう行為を拒否すると表明している。周辺国を巻き込む形で対立が拡大すれば、ティグレ州だけでなくアムハラ州やアファール州を含む広範な地域の不安定化につながる可能性がある。
現地では通信網の遮断も続いており、戦況の把握や住民との連絡、支援活動に影響が出ている。国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」によると、アラマタの病院に運ばれる負傷者は前週、急増し、赤十字国際委員会(ICRC)はメケレから職員161人を退避させた。過去の内戦で深刻な人道危機を経験したティグレ州では、再び大規模な戦闘が続くことで市民への影響が拡大することが懸念されている。
今回のアラマタ制圧は、2022年の和平合意後も解消されなかった政府とTPLFの対立が再び軍事衝突へ移行したことを示す動きとなっている。今後、国軍とTPLF側の戦闘がメケレ周辺へ広がるか、さらに周辺国を巻き込む地域紛争へ発展するかが焦点となる。
