◎北キブ州郊外では国軍とM23による戦闘が激化している。
2010年10月3日/コンゴ民主共和国、国連のヘリコプターと平和維持軍兵士(Katrina-Manson/ロイター通信)

コンゴ民主共和国最大の反政府勢力「3月23日運動(M23)」が東部・北キブ州の要衝を占領した。現地メディアが7日に報じた。

それによると、北キブ州郊外では国軍とM23による戦闘が激化しているという。

北キブ州ゴマに駐留している国連コンゴ民主共和国安定化ミッション(MONUSCO)は数カ月以内に撤退任務を終える予定だ。

AP通信は軍当局者の話しとして、「M23のテロリストが北キブ州郊外の町に侵入し、陸軍の前哨基地を占拠した」と伝えている。

銃撃戦を目撃したという男性はAPに、「戦闘はまだ続いており、多くの住民が町の外れに避難している」と語った。

M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成され、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。

しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。2021年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。

コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘。ルワンダはこの主張を否定している。

1994年のルワンダ大虐殺に関与したとされるフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。

M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられ、北キブ州ゴマ近郊まで支配地域を拡大したとされる。

APによると、今回M23が占領した町はこの地域の交易の要衝。今年2月にもM23の支配下に置かれ、軍が奪還に成功したばかりだった。

同国では12月20日に大統領選・第1回投票が行われる予定だ。再選を目指すチセケディ氏は全国各地で有権者に支持を呼びかけている。

北キブ州を含む紛争地に投票所は設置されない。欧米の選挙オブザーバーはチセケディ政権と選挙管理委員会の管理能力に疑問を呈している。

一部の地元メディアによると、首都キンシャサを含む複数の地域で有権者の買収、脅迫、投票用紙の売買が確認されている。

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