ブルキナ北部を含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっている。
ブルキナファソ、国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」の職員と親子(Doctors Without Borders)

国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」は17日、ブルキナファソで職員2人が武装勢力に殺害されたことを受け、同国での活動を一時停止すると発表した。

MSFはツイッターに声明を投稿。「緊急対応以外の業務を無期限停止する」とした。

またMSFは「現場の職員が攻撃を受けるリスクは極めて高い」と指摘した。

MSFによると、職員4人を乗せた車両は今月初め、北西部デドゥグの道路で武装勢力の襲撃を受けたという。この攻撃で2人が死亡、残り2人は九死に一生を得た。

死亡したのはいずれも30代のブルキナ人。MSFの職員として数年前から北西部地域で働いていた。

ブルキナ北部を含むサヘル地域では国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系の過激派が猛威を振るっており、同国で2015年以降の紛争に巻き込まれ難民になった民間人は200万人に達し、1万人以上が死亡したと推定されている。

過激派は北部の広い範囲を支配し、軍事政権と対峙。数十万人が飢餓の瀬戸際に立たされている。

AP通信によると、支配地域で身動きが取れない市民は60万人近くに達し、この地域への人道支援は戦闘の影響で60%減少したという。

MSFはブルキナで最も不安定な地域に職員を派遣してきた。

主要メディアや地元の人権団体によると、MSF職員殺害の犯行声明は出ていないという。

サヘル地域の紛争に詳しいアナリストはこの事件について、「軍政、民兵、ボランティア、過激派が入り乱れる激戦地での活動が難しいことを示している」と指摘した。

モロッコのシンクタンク「ポリシーセンター(Policy Center for the New South)」の上級研究員は「この地域には複数の武装勢力が存在し、リスクは高く、過激派が犯人と断言できない」と述べている。

ブルキナファソ、大統領に就任したトラオレ大尉(Getty Images/AFP通信)
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