世界の戦争避難民1.2億人超える、国連が懸念表明 25年
25年4月末までに世界中で戦争により避難を余儀なくされている人の数は昨年比で200万人以上増加。シリア内戦が事実上終結し、ほぼ同じ数のシリア難民が帰国したにもかかわらずである。
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国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のグランディ(Filippo Grandi)高等弁務官は12日、ミャンマー、スーダン、ウクライナなどでの戦争の影響により、世界の避難民の数が1億2200万人を超えたと明らかにした。
それによると、25年4月末までに世界中で戦争により避難を余儀なくされている人の数は昨年比で200万人以上増加。シリア内戦が事実上終結し、ほぼ同じ数のシリア難民が帰国したにもかかわらずである。
グランディ氏は報告書の中で、「避難民が急増しているにもかかわらず、UNHCRの資金は2015年の水準まで減少している」と明らかにした。
またグランディ氏はこの増加について、「スーダン、ミャンマー、ウクライナなどでの戦争と、これを停止できない状況が続いていることが原因である」指摘した。
さらに、「国際社会は大きな転換点に直面し、さらに現代の戦争は深刻な苦痛に満ちた脆弱で過酷な状況を招いている」とし、国際社会に支援を呼びかけ、一致団結して全ての戦争を止めるよう促した。
UNHCRは米国を念頭に、「和平の仲介における政治的リーダーシップの欠如が紛争を長期化させ、それに対応する支援団体の負担が増加している」と指摘している。
またUNHCRは「世界中の避難民・難民の総数が現在の約半分だった2015年の水準まで資金が減少している」と警告した。
トランプ米政権は対外援助の大半を削減、イギリスや他EU諸国も援助を減らし、防衛支出を増やしている。