キューバのラウル・カストロ氏、米司法省の起訴以来初めて公の場に
式典は首都ハバナの内務省関連施設で開催され、現職のディアスカネル大統領をはじめ、政府や軍の高官らが出席した。
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キューバ革命の指導者であるラウル・カストロ(Raul Castro)前第1書記が6日、首都ハバナで開かれた95歳の誕生日を祝う式典に出席した。先月に米司法省から殺人罪などで起訴されて以降、公の場に姿を見せたのは初めてである。今回の式典は米国との対立が激化する中で、キューバ指導部の結束を内外に示す狙いがあったとみられる。
式典は首都ハバナの内務省関連施設で開催され、現職のディアスカネル(Miguel Diaz-Canel)大統領をはじめ、政府や軍の高官らが出席した。国営テレビが放映した映像には、カストロ氏が笑顔で関係者と交流し、祝賀を受ける様子が映っていた。ディアスカネル氏は演説で「ラウルはキューバそのものであり、キューバは侵すことのできない存在だ」と述べ、同氏への支持と敬意を強調した。
米国は先月、1996年に発生した民間機撃墜事件を巡り、カストロ氏を殺人や航空機破壊などの罪で起訴した。当時国防分野の最高責任者だった同氏が、米国を拠点とする亡命キューバ人団体の小型機2機を撃墜するよう命令したと主張している。この事件では4人が死亡し、長年にわたり米国とキューバの関係悪化の象徴的事案となってきた。
キューバ政府は起訴を政治的動機に基づくものだとして強く反発している。トランプ政権はキューバに対する経済・外交圧力を強めており、今月にはディアスカネル氏や政府関係者に対する追加制裁も発表した。これに対しキューバ側は、経済制裁が国内の燃料不足や停電、生活物資不足を深刻化させていると批判している。
ラウル・カストロ氏は兄のフィデル・カストロ(Fidel Castro)氏とともに1959年のキューバ革命を主導し、2008年から2018年まで国家元首を務めた。2021年に共産党トップを退任して以降は表舞台から距離を置いているが、現在も国民議会議員の地位を保持し、国内政治に一定の影響力を持つとみられている。近年は公の場に姿を見せる数も減り、その動向が国内外から注目を集めている。
今回の誕生日行事への出席は高齢となった革命世代の象徴的存在が健在であることを示すと同時に、米国からの圧力に屈しないというキューバ政府の政治的メッセージとしての意味合いも持つ。米キューバ関係が再び緊張を高める中、カストロ氏の動向は今後も両国関係を占う重要な指標となりそうだ。
