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オーストラリア住宅市場の減速、関連産業に波及、年間数十億ドルの消費が消失か

今回の特徴は、住宅価格そのものの大幅な下落よりも、売買件数の急減にある。
2026年6月22日/オーストラリア、シドニーの売り物件(ロイター通信)

オーストラリアの住宅市場の減速が、不動産業界だけでなく、家具販売や引っ越し、リフォーム、造園、登記・契約手続きなど、住宅売買に依存する幅広い産業に波及している。ロイター通信の分析によると、住宅の取引件数の低迷が続けば、住宅取引に伴って発生する年間支出が28億~56億豪ドル(約3100億円~6200億円)減少する可能性がある。

今回の特徴は、住宅価格そのものの大幅な下落よりも、売買件数の急減にある。住宅価格は3月のピークから4%未満の下落にとどまり、前年の水準も上回っている一方、住宅取引高は前年同期比で15%減少した。住宅市場調査会社コタリティによると、取引量は5年平均と比べても10.5%低い水準にある。

住宅が売買される際には、不動産仲介業者だけでなく、司法書士・契約手続き業者、引っ越し会社、家具店、家電販売店、塗装業者、造園業者などにも仕事が発生する。取引が減れば、これらの事業者にも連鎖的に影響が及ぶ。ロイターは住宅取引に伴う関連支出が月3億5500万~7億1000万豪ドル失われていると推計している。

実際に現場では、仕事の減少に対応するため、従業員の勤務時間を削減したり、人員を減らしたりする企業が出ている。引っ越し用段ボールなどを扱う企業では4月以降に4人が離職し、従業員数が13人から9人に減少した。住宅関連商品の購入や改修需要の減少を背景に、小売業の収益にも影響が及んでいる。

背景には、金利上昇と住宅投資に関する税制変更がある。オーストラリアでは2月以降に3回利上げが実施され、政府も既存住宅の売却益に関する税制優遇を縮小するとともに、投資家向けのネガティブギアリング制度を厳格化した。こうした政策が住宅需要を冷やし、取引減少につながっている。

住宅市場の減速は価格下落による資産価値の減少だけでなく、「住宅が売れることで発生する消費」の縮小という形でも経済に影響する。住宅取引の低迷が長期化すれば、関連企業の業績や雇用、さらには個人消費にも波及する可能性がある。

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