タイ当局が中国人実業家の逮捕状発布、オンライン詐欺と資金洗浄に関与
捜査当局は同容疑者がすでに国外へ逃亡したとみており、各国の法執行機関と連携して所在確認を進めている。
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タイの捜査当局は25日、中国人実業家の王一成(Wang Yicheng)容疑者に対する逮捕状を発付し、国際的な詐欺資金のマネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いで行方を追っていると明らかにした。王容疑者は違法な暗号資産(仮想通貨)マイニング事業を利用して、オンライン詐欺や違法賭博で得た資金を洗浄した疑いが持たれている。
タイ法務省特別捜査局(DSI)によると、王容疑者は2025年11月に窃盗罪およびコンピューター犯罪法違反で起訴された。捜査当局は同容疑者がすでに国外へ逃亡したとみており、各国の法執行機関と連携して所在確認を進めている。
今回の捜査はタイ国内で摘発された大規模な違法マイニング事業が発端となった。DSIは調査の過程で、約2800万ドル相当の電力が不正利用されていたことを突き止めた。これは近年のタイにおける違法マイニング事件としては最大級の規模とされる。捜査当局は犯罪組織が暗号資産マイニングを単なる収益源としてだけでなく、資金洗浄やサイバー犯罪ネットワークの維持にも利用していたとみている。
王容疑者の名前は、2023年にロイター通信が報じた国際的な暗号資産投資詐欺の調査でも浮上していた。それによると、王容疑者名義の暗号資産ウォレットには2021~22年にかけて、少なくとも910万ドルが送金されていた。この資金は投資家を巧妙にだまして暗号資産への投資を促す「ピッグ・ブッチャリング(肥育豚)」と呼ばれる詐欺手法に関連していた可能性があるという。ただし、実際に王容疑者本人が口座を管理していたかどうかは明らかになっていない。
米国当局も王容疑者をデジタル資産詐欺事件の容疑者と認定している。2023年には、米国の被害者から盗まれた資金の一部が流入したとして、王容疑者名義の口座から約50万ドル相当の暗号資産が押収された。米司法省は今回のタイ当局による逮捕状についてコメントを出していない。
近年、タイやミャンマー、ラオス、カンボジアを含む東南アジア地域では中国系犯罪組織が運営するオンライン詐欺拠点への取り締まりが強化されている。国連によると、こうした組織は人身売買の被害者らを労働力として利用しながら、毎年数十億ドル規模の不正利益を生み出しているとされる。
タイ当局は今回の事件を、違法な暗号資産マイニングと国際的な金融犯罪が結び付いた象徴的な事例と位置付けている。王容疑者の身柄確保が実現すれば、東南アジアに広がる詐欺ネットワークの実態解明や資金の流れの追跡に向けた一歩となる見通しだ。
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