◎地元の有力者や企業はイスラム教の断食月「ラマダン」の期間中、貧しい人々を支援するために食料や現金を配ることがある。
2023年3月31日/パキスタン、南部カラチ、群集事故が発生した食料配給所(工場)前(Fareed Khan/AP通信)

パキスタンの警察当局は31日、南部の港湾都市カラチの工業団地で群集事故が発生し、子供を含む少なくとも11人が死亡したと発表した。

AP通信によると、事故は31日の正午前(現地時間)に発生。カラチ中心部の団地内にある工場の入り口付近に女性や子供数百人が集まっていた。

この工場はイスラム教の断食月「ラマダン」に合わせて食料を配ると発表していた。

地元の有力者や企業はラマダンの期間中、貧しい人々を支援するために食料や現金を配ることがある。

カラチ警察の広報担当はAP通信の取材に対し、「一部の住民がパニックを起こし、押し合いへし合いになった」と語った。

それによると、工場前にある排水溝に女性と子供数人が転落し、パニックに拍車をかけたという。

広報担当はAPに「女性8人と子供3人の死亡を確認し、数人が病院に搬送された」と語った。亡くなった11人の死因と身元は明らかになっていない。

地元メディアによると、先週から似たような事故が多発しているようだ。当局は全国各地で少なくとも21人が雑踏事故で死亡したと報告している。

連邦政府はインフレと昨年の記録的な水害がもたらした経済危機に対処するため、低所得者層に小麦粉を無料配布する取り組みを始めている。

報道によると、政府が運営する配給所にも人だかりができているという。

パキスタンの先月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で約45%増となり、過去に類を見ない水準に達した。食品と燃料価格の高騰は市民生活に甚大な影響を与えている。

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