◎ミラット・エクスプレス(Millat Express)とサー・サイード・エクスプレス(Sir Syed Express)の急行列車は6月7日の未明に衝突した。
2021年6月8日/パキスタン、南部シンド州ゴートキの鉄道事故現場、救助活動の様子(AP通信/Fareed Khan)

6月8日、パキスタン政府は南部シンド州ゴートキで発生した鉄道事故の死亡者は65人に増加したと述べた。

ミラット・エクスプレス(Millat Express)とサー・サイード・エクスプレス(Sir Syed Express)の急行列車は6月7日の未明に衝突した。衝突の原因はまだ特定されていないが、地元メディアは、ミラット・エクスプレスが何らかの原因で脱線し、その後しばらくしてサー・サイード・エクスプレスが衝突したと報じた。

救助活動を統括する地区の責任者は記者団に対し、全ての遺体を回収したと述べた。「衝突の死亡者は65人に達し、100人以上が負傷しました...」

救助活動は8日の正午までに完了したと伝えられている。

政府によると、陸軍の技術者と軍事基地から派遣された兵士たちが救助活動を支援したという。地元メディアは、大型重機による救助作業は丸1日以上続いたと報じた。

鉄道当局は8日、軌道の修理が完了したため、鉄道の運行を再開したと述べた。

一方、政府の鉄道部門の高官、アルシャド・カーン氏は8日の記者会見で初期調査の結果を公表した。カーン氏によると、ミラット・エクスプレスは軌道の継ぎ目が破損していた影響で脱線した可能性が高いという。「調査の結果、軌道の継ぎ目は最近溶接されたことが判明しました...」

サー・サイイド・エクスプレスの運転士、アイジャズ・アフメド氏は地元メディアの取材に対し、「前方の列車に気づき急ブレーキをかけたが間に合わなかった」と述べた。

2021年6月8日/パキスタン、南部シンド州ゴートキの鉄道事故現場(AP通信/Fareed Khan)

現地メディアによると、重傷者はシンド州とパンジャブ州の医療機関に搬送され、軽傷者はゴートキの病院で治療を受けたという。

ミラット・エクスプレスに乗車していたアタ・モハマド氏はAP通信の取材に対し、「大きな音で目が覚め、脱線したことに気づいた」と述べた。

衝突現場の近くで農場を営んでいるシャー・ムハンマド氏は、ミラット・エクスプレスが脱線するところを見たと語った。「私はすぐ現場に走りましたが、到着する前に別の列車が衝突しました...」

現地メディアによると、衝突に気づいた周辺住民たちは救急隊と警察が到着するまでの間、負傷者の手当てと救助活動を率先して行ったという。

アザム・スワティ鉄道大臣はAP通信の取材に対し、「あらゆる可能性を考慮し、調査を進める」と述べた。「事故原因が人為的ミスであれば、対象者は処罰されます。私たちは破壊工作を含むあらゆる可能性を考慮し調査を進めます」

パキスタンでは鉄道事故が多発しており、1990年に南部で発生した列車と貨物列車の衝突では210人が死亡した。

2021年6月8日/パキスタン、南部シンド州ゴートキの鉄道事故現場(AP通信/Fareed Khan)
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