◎地元メディアなどによると、カイン州(旧カレン州)で軍に処刑されたと信じられている25人の遺体を含む2つの集団墓地が発見されたという。
2021年6月17日/ミャンマー、カヤー州のプファール村に設置された国内避難民用仮設キャンプ(AP通信)

6月17日、ミャンマーの国連事務所は声明で、軍事政権の弾圧に反対するゲリラ組織の民間人が軍に拘束され、25人が処刑された可能性があるという報告および、軍が一部地域の村を焼き払ったという報告に懸念を表明した。

2月1日の軍事クーデターで政権を奪取した軍事政権とそれに強く反対する勢力の紛争はここ数カ月で激化した。

ゲリラ組織に参加した民間人は平和的な抗議者を850人以上殺害した軍の弾圧に憤慨し、銃を手に取った。

国連事務局は声明の中で、「国際人権の規範と基準が尊重されることを確実にするために、現在の危機に関与するすべての関係者に虐待を停止するよう求める」と述べた。「これには民間人および民間インフラへの付随的危害を最小限に抑える義務の支持、およびコミュニティ、家族、または個人に対する集団的罰の適用を禁止することが含まれます...」

地元メディアなどによると、カイン州(旧カレン州)で軍に処刑されたと信じられている25人の遺体を含む2つの集団墓地が5月31日に発見されたという。処刑された民間人はカレン国防機構(KNDO)の隊員と伝えられている。

KNDOは中央政府と何十年にも渡って戦ってきたカレン少数派民族の戦闘部隊のひとつである。

2021年6月16日/ミャンマー中部マグウェ地方域のキンマ村(AP通信)

軍事政権は6月13日、カイン州で発見された25人の遺体はKNDOが殺害した建設労働者と主張した。

これに対しKNDOのスポークスマンは、「独立系メディアのエーヤワディー・ニュース・マガジンから、処刑された25人を含む死者の中には政府のスパイも含まれていたと聞いた」と反論した。スポークスマンによると、死者の中には政府軍に処刑された者やKNDOに射殺された者も含まれているという。

カレン民族同盟は16日、事件を調査したうえで、「私たちは武力紛争中における民間人の処刑を禁止するジュネーブ条約に従う」と述べた。

国連は中部マグウェ地方域のキンマ村が焼き払われた事件についても言及した。独立系メディアを通じてAP通信の取材に応じたキンマ村の住民のひとりは、「軍は村の民家250戸のほとんどを焼き払い、数人の村人と逃げ遅れた老夫婦が死亡した」と述べた。

しかし、軍事政権はキンマ村の焼き討ちをテロリストに反対する者による放火と主張した。軍事政権はKNDOを含む反対派をテロリストと呼んでいる。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長はスポークスマンを通じて声明を発表し、キンマ村の焼き討ちに懸念を表明した。「今回の焼き討ちは2017年のロヒンギャ弾圧を彷彿とさせます...」

軍は2017年、イスラム系少数民族ロヒンギャの村を焼き払った。一連の虐殺作戦により、70万人以上が隣国バングラデシュの難民キャンプに非難し、逃げ遅れた者たちは殺害されたと伝えらえている。

グテーレス事務総長はカイン州で発見された2つの集団墓地についても懸念を示し、「国連はすべての当事者に民間人および民間インフラへの危害を最小限に抑え、コミュニティ、家族、または個人に対する集団的処罰を禁止するなど、国際人権基準が尊重されるよう求めている」と述べた。

2021年6月17日/ミャンマー、カヤー州のプファール村に設置された国内避難民のための仮設学校(AP通信)
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