◎キルギス政府は昨年10月、タジキスタン国境付近で同年9月に発生した紛争について「ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー(RFE/RL)」が報道した後、ウェブサイトをブロックし、RFE地方事務所の銀行口座を凍結した。
2022年9月17日/キルギスとタジキスタンの国境近く(Getty-Images)

キルギスの裁判所は9日、「ラジオ・フリー・ヨーロッパ/ラジオ・リバティー(RFE/RL)」の事務所閉鎖を求める文科省の審理を来月に延期した。

キルギス政府は昨年10月、タジキスタン国境付近で同年9月に発生した紛争についてRFEが報道した後、ウェブサイトをブロックし、RFE地方事務所の銀行口座を凍結した。

文科省はRFEが資金洗浄(マネーロンダリング)に関与した可能性があると主張している。

同省によると、RFEは戦争、暴力、残虐行為、宗教の排除、多民族への攻撃を禁じる法律に違反したという。

政府は昨年末、RFEウェブサイトの閲覧禁止期間を「無期限」とした。

国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団(RSF)」はこの措置を報道の自由を侵害する行為と糾弾し、「キルギス政府は紛争の実態が公になることを恐れている」と指摘した。

キルギスとタジクはソビエト連邦の崩壊以来、国境付近の水資源をめぐって争い続けてきた。

旧ソ連時代、両国の市民は自由に国境を往来できたため、水資源で争うことはなかった。しかし、崩壊後に曲がりくねった複雑な国境が設定されると紛争に発展した。

両国の国境、約1000kmの3分の1以上が係争地とされる。

昨年9月の紛争では両軍の兵士少なくとも94人が死亡、100人以上が負傷したと報告されている。

2021年5月1日/キルギス南西部(ロイター通信)
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