◎キルギスとタジクはソビエト連邦の崩壊以来、国境付近の水資源をめぐって争い続けてきた。
2022年9月17日/キルギスとタジキスタンの国境近く、戦闘に巻き込まれた市民(Getty Images)

キルギスとタジキスタン政府は18日、国境付近で発生した戦闘で少なくとも94人が死亡したと報告した。

キルギスとタジクはソビエト連邦の崩壊以来、国境付近の水資源をめぐって争い続けてきた。

旧ソ連時代、両国の市民は自由に国境を行き来できたため、水資源で争いが発生することはなかった。しかし、崩壊後に曲がりくねった複雑な国境が設定されると暴力に発展した。

戦闘は14日頃から始まったと報告されている。両国は昨年5月に停戦に合意したものの、国境付近では小競り合いが続いていた模様。

両国はロシアの仲介を受け、16日に停戦に合意した。

ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は両軍に武器を置くよう求めた。

両国は約1000kmの国境を共有しており、その3分の1以上が係争地である。

今回の衝突は昨年4月に勃発した戦闘を超える死者を出した。この戦闘では50人近くが死亡したと報告されている。

キルギス政府は18日、新たに兵士13人の死亡を確認し、死者数は59人となり、100人以上が重軽傷を負ったと報告した。

タジク政府は35人が死亡、少なくとも20人が負傷したとしている。

現地メディアによると、停戦発効後に砲撃が確認されたものの、戦闘は発生しなかったという。

ロシア大統領府は18日、プーチン氏がラフモン(Emomali Rakhmon)キルギス大統領とジャパロフ(Sadyr Japarov)タジク大統領と個別に電話会談を行い、緊張を緩和するよう要請したという。

プーチン氏は両首脳に対し、「平和的、政治的、外交的手段」で問題を解決するよう求めた。

両国は相手が停戦合意を破ったと非難している。

キルギス政府は国を挙げて喪に服すため、19日を祝日にすると宣言した。

2021年5月1日/キルギス南西部、黒焦げになった小学校(ロイター通信)
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