◎火災は鉄鋼世界最大手アルセロール・ミタルが保有する企業の国有化が決まった日に発生。職員252人のうち32人が死亡、14人が行方不明になっている。
2023年10月28日/カザフスタン、火災が発生した鉱山施設(ロイター通信)

鉄鋼世界最大手アルセロール・ミタル(本社ルクセンブルク)が所有するカザフスタンの鉱山で火災が発生し、少なくとも32人が死亡した。地元当局が28日、明らかにした。

それによると、火災はアルセロール・ミタル社が保有する企業の国有化が決まった日に発生。職員252人のうち32人が死亡、14人が行方不明になっている。

国営メディアは関係者の話しとして、「18人が病院に搬送された」と伝えている。

トカエフ(Kassym-Jomart Tokayev)大統領は同企業の国有化を推進するため、アルセロール・ミタルへの投資を制限していた。

トカエフ氏は火災を受け声明を発表。犠牲者と遺族に哀悼の意を表し、アルセロール・ミタルを「カザフスタン史上最悪の企業」と評した。

国営テレビによると、アルセロール・ミタルは当局の捜査に全面的に協力し、遺族に補償を約束したという。

火災の原因は明らかになっておらず、警察が捜査に当たっている。

トカエフ氏は声明の中で、「国有化に向けた取り組みが進行中であり、できるだけ早く取引を完了させるとを約束する」と強調した。

ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は28日、カザフ政府に宛てた声明でこの事故を「悲劇」と嘆き、哀悼の意を表した。

プーチン氏は「亡くなった労働者の家族に同情と支援の言葉を伝えてほしい」「地下に取り残されている労働者が助かることを願っている」と述べた。

アルセロール・ミタルがカザフで運営する事業所で死亡事故を起こしたのはこの2ヶ月で2回目。8月に発生した火災では4人が死亡している。

2022年11月には坑内でメタンガス漏れが発生。5人が死亡、4人が入院した。

アルセロール・ミタルはカザフに15の石炭・鉱石鉱山を所有している。

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