◎イスラマバード地裁は先月末、資産隠しなどの疑いに関する公聴会を欠席したとしてカーン氏の逮捕状を発行した。
2022年4月21日/パキスタン、東部ラホールで開催された野党集会、カーン前首相(K.M. Chaudary/AP通信)

パキスタン当局は13日、カーン(Imran Khan)前首相がイスラマバード地裁の逮捕状を無視して野党集会を主催したと明らかにした。

地裁は先月末、資産隠しなどの疑いに関する公聴会を欠席したとしてカーン氏の逮捕状を発行。カーン氏はこれを無視したため、地裁はさらに別の逮捕状を発行した。

中露寄りのカーン氏は昨年4月に不信任決議で弾劾されて以来、政府・司法・軍を批判し、全国各地で集会を開催している。

カーン氏は不信任決議に米国が関与していると主張。逮捕状はシャリフ(Shahbaz Sharif)首相の嫌がらせのひとつと非難している。

アナリストはカーン氏の逮捕状無視について、裁判を遅らせる弁護士の策略と指摘している。

地裁は13日、カーン氏が在任中に外国高官から受け取った贈答品の売却益を正しく申告しなかった罪。さらに集会で判事を口汚く罵り、脅迫した罪で逮捕状を2通発行した。

地裁は今月18日と29日に予定されている審問にカーン氏を出廷させるよう要求している。しかし、警察がそれに基づいて行動するかどうかは不明である。

シャリフ政権はカーン氏への圧力を強めている。カーン氏は現在、2つの地方議会選挙で自党「パキスタン正義運動(PTI)」のキャンペーンを行っている。

13日の集会は東部ラホールで開催された。

政府報道官は13日、「イムラン・カーンは逮捕状を無視している」と批判した。

しかし、PTIの一部議員は「当局はカーン氏を痛めつけるために事件をでっち上げ、逮捕し、拷問し、脅し、政界から追放しようとしている」と主張した。

ラホールに集まったカーン氏の支持者は5000人以上と報告されている。地元警察は逮捕状が出ているにもかかわらず、カーン氏の集会を許可した。

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