◎林鄭月娥(りんていげつが)行政長官「今回の選挙は公正かつ公平な方法で行われ、投票と開票のプロセスもスムーズでした…」
2021年12月19日/香港の投票所、林鄭-月娥(りんていげつが)行政長官(Getty-Images/AFP通信)

12月20日、香港の共産党政府は歴代最高の投票率を記録した立法会選挙を称賛し、中国共産党に忠誠を誓う「愛国者」が圧勝したと主張した。

批評家は今回の香港特別行政区立法会(LegCo)選挙を「八百長」と呼び、民主活動家はボイコットを呼びかけ、多くの若者が投票を棄権した。現地メディアによると、投票率は歴代最高を大きく更新する「30.2%」だったという。

林鄭月娥(りんていげつが)行政長官は19日、今年5月に「改善された」選挙制度がうまく機能したと声明を発表した。「今回の選挙は公正かつ公平な方法で行われ、投票と開票のプロセスもスムーズでした...」

LegCoは5月、有権者の権利を大幅に削減する「選挙制度の改善(統合改正)法」を可決した。法律の施行により、国家安全保障部門は公職の候補者をチェックする権限を与えられ、候補者が「愛国的」であることを確認および承認する委員会が創設され、「愛国的でない者」は選挙に立候補できなくなった。

また、LegCoの議席数は90議席に拡大され、そのうち40議席は中国共産党に忠誠を誓う建制派の選挙委員会によって選出されることになり、有権者の投票で選出される議員の数は以前の35人から20人に削減された。

さらに、残り30議席も共産党に忠誠を誓う職能団体枠(貿易やビジネスを代表する団体)から選出されるため、民主勢力がLegCoで活動することはほぼ不可能になった。

現地メディアによると、結果は20日午後に確定する見込みで、林鄭月娥 行政長官は同日中に北京に結果を報告する予定だという。

政府は投票に先立ち、約450万人の有権者にテキストメッセージで選挙に参加するよう呼びかけ、公共交通機関の運賃を無料にした。政府はメッセージの中で、「あなたの一票が香港の未来を決める!」と述べた。

しかし、2014年と2019年の民主化デモで共産党に立ち向かい、昨年施行された国家安全維持法に反対する若者を含む約300万人が投票を棄権した。

AP通信の取材に応じたある女性は、「親中派以外に投票したいです」と述べた。別の男性は、「来年、イギリスで市民権を取得する予定です」と語った。

ソーシャルメディアには市内の主要な観光地、遊園地、毎年恒例の食料品見本市などが盛り上がっているという投稿が相次いで寄せられた。

一方、林鄭月娥 行政長官は投票率の質問を却下し、「政府は投票率に目標を設定していない」と主張した。中国の国営新華社通信は20日、「選挙は外部勢力の嘘のせいでひどく傷いた」と報じた。

内地事務局の曾国衛 局長も18日の会見で、「外国軍が選挙を弱体化させようとしている」と警告していた。国家安全維持法はボイコットの呼びかけなどを固く禁じており、違反した者は3年以下の懲役と200,000香港ドル(約300万円)の罰金を科される可能性がある。

投票所と民主活動家の監視に警察官約10,000人を動員したレイモンド・シウ警察署長は19日、「大きなトラブルはなかった」と誇らしげに語った。

民主党は前回の選挙で29議席を獲得したが、今回の選挙には候補を擁立しなかった。

民主党の議員たちは昨年、「共産党指導部への忠誠が足りない」という理由で追放された議員4人の処遇に抗議し、一斉に辞任した。

2020年11月11日/香港、立法会総合大聖堂、辞職を表明した野党議員(Getty Images/AFP通信)
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