中国・タイ外相協議、オンライン詐欺対策で協力強化へ
近年、タイやミャンマー、カンボジアなどの国境地域ではオンライン詐欺拠点が拡大し、偽の求人やSNSを通じて外国人を誘い込み、強制的に詐欺行為に従事させる事件が社会問題となっている。
と中国の王毅外相(AP通信).jpg)
中国の王毅(Wang Yi)外相は24日、タイのシハサック(Sihasak Phuangketkeow)外相と会談し、国境を越えて拡大するオンライン詐欺への対策で協力を強化することで合意した。両国はサイバー犯罪の抑止、とりわけオンライン詐欺への取り締まりを優先課題と位置付け、情報共有や法執行協力を拡充する方針を確認した。
会談はバンコクで行われ、王毅氏のタイ訪問の一環として実施された。タイ政府によると、両外相はオンライン詐欺が東南アジア全域で深刻化している現状について懸念を共有し、犯罪組織の摘発や資金の流れの遮断に向けて連携を強めることで一致した。タイ政府報道官は、双方がサイバー犯罪対策を「極めて重要な課題」と認識していると説明している。
近年、タイやミャンマー、カンボジアなどの国境地域ではオンライン詐欺拠点が拡大し、偽の求人やSNSを通じて外国人を誘い込み、強制的に詐欺行為に従事させる事件が社会問題となっている。こうした犯罪は被害額が巨額に上るだけでなく、人身売買や拘束といった人権侵害にも発展しており、地域全体の安全保障上の課題となっている。
中国政府も自国民が詐欺組織に巻き込まれる事例を問題視し、タイや周辺国に対して摘発強化を求めてきた。今回の会談でも、王毅氏は地域の安定維持と犯罪ネットワークの根絶の必要性を強調した。一方でタイ側も、国際協力なしにはこうした越境型犯罪への対応が困難であるとして、中国との連携強化を歓迎した。
また会談ではサイバー犯罪対策に加え、両国関係のさらなる発展についても意見交換が行われた。中国はタイにとって最大の貿易相手国であり、近年は経済・投資面での結びつきが強まっている。今回の訪問はこうした経済関係を背景に、安全保障や治安分野での協力を一段と深化させる狙いがあるとみられる。
王毅氏は東南アジア歴訪の一環としてタイを訪れ、今後ミャンマーなども訪問する予定である。中国は地域の安定に向けた外交関与を強めており、サイバー犯罪対策はその中心的な協力分野の一つとなっている。
今回の合意により、タイと中国は情報共有の迅速化や共同捜査の可能性を含めた協力枠組みの強化に乗り出す見通し。東南アジアにおけるサイバー犯罪対策の国際連携が一段と進む可能性がある。
