SHARE:

ペルー警察、元選挙管理当局トップの自宅を家宅捜索、大統領選の混乱受け

今回の捜索は大統領選第1回投票で発生した混乱を受けたものだ。
2026年4月24日/ペルー、首都リマ、全国選挙管理委員会(ONPE)のコルベット元委員長の自宅前(AP通信)

南米ペルーで4月12日に行われた大統領選挙を巡り、選挙運営の不備を巡る捜査が拡大している。国家警察は24日、選挙運営を担う全国選挙管理委員会(ONPE)のコルベット(Piero Corvetto)元委員長の自宅を家宅捜索し、投票用紙不足などの問題の実態解明に乗り出した。

今回の捜索は大統領選第1回投票で発生した混乱を受けたものだ。首都リマでは投票用紙の配送遅延や不足が発生し、複数の投票所で投票開始が遅れたり、一時的に実施できなかったりする事態となった。これにより5万人以上の有権者に影響が出て、当局は投票時間の延長を余儀なくされた。

捜査は汚職対策部門の主導で行われ、コルベット氏のほか、複数の元選挙当局者や、投票用紙の輸送を担った企業の関係者宅も対象となった。警察と検察は選挙資材の輸送・管理における不備や責任の所在について調べている。

コルベット氏は選挙後の混乱を受けて今週辞任、「決選投票に向けた信頼回復のため」と説明していた。一方で、自身の不正関与については否定し、捜査には協力する姿勢を示している。また、裁判所は同氏の拘束請求を退けており、身柄拘束には至っていない。

今回の選挙では開票の遅れや運営上の混乱が相次ぎ、一部候補者から不正選挙を疑う声も上がった。特に強硬右派のアリアガ(Rafael López Aliaga)氏は根拠を示さないまま不正を主張し、政治的緊張を高めた。しかし、欧州連合(EU)の選挙監視団は不正の証拠は確認されなかったと報告し、過激な主張に警鐘を鳴らしている。

結果は5月15日までに確定する予定。開票率約95%の時点で右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏が得票率約17%で首位に立ち、2位争いは接戦となっている。上位2人による決選投票は6月7日に行われる見通しだ。

ペルーでは近年、大統領の罷免や逮捕が相次ぎ、今回の選挙をめぐる混乱も制度への信頼を揺るがす事態となっている。捜査の行方とともに、選挙の正当性と民主主義の安定性が問われている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします