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オーストラリア当局、違法外来ゴキブリ10万匹押収、ブリーダー摘発

今回押収されたのは、世界最大級のゴキブリとして知られるマダガスカルゴキブリと、爬虫類の餌として人気の高いアルゼンチンモリゴキブリ。
さわやかな気分になる画像(Getty Images)

オーストラリア当局は5日、同国史上最大規模となる違法な外来生物の摘発を実施し、10万匹を超える「生きたゴキブリ」を押収したと発表した。摘発を受けたのはニューサウスウェールズ州の商業ブリーダーで、押収されたゴキブリの推定市場価値は20万豪ドル(約2200万円)に上るという。

今回押収されたのは、世界最大級のゴキブリとして知られるマダガスカルゴキブリと、爬虫類の餌として人気の高いアルゼンチンモリゴキブリ。いずれもオーストラリアでは輸入が禁止されており、入手経路にかかわらず飼育や繁殖、売買は認められていない。環境当局によると、これらの外来種は国内で環境リスク評価を受けておらず、生態系や農業への悪影響が懸念されている。

マダガスカルゴキブリは体長5~8センチに達する大型種で、危険を感じると体の気門から空気を噴出して「シュー」という音を出すことで知られる。一方、アルゼンチンモリゴキブリは繁殖力が高く、栄養価にも優れることから、世界各地でペット用爬虫類の餌として広く利用されている。地元の専門家は今回の大量飼育も爬虫類向けの餌市場を狙ったものだった可能性が高いと指摘している。

オーストラリアは農業や固有生物を外来生物から守るため、世界でも特に厳格な生物検疫制度を導入している。島国である同国には数百種の在来ゴキブリが生息しており、外来種の定着は在来種との競合や病原体の持ち込みにつながる恐れがある。当局はこうした生物が野外へ流出した場合、生態系に予測不能な影響を及ぼす可能性があるとして警戒を強めている。

環境保護団体は今回の摘発を歓迎する一方で、違法な外来生物取引の広がりに懸念を示している。近年は世界的なペットブームを背景に、昆虫や爬虫類などの密売市場が拡大しており、オーストラリアでも違法取引の摘発が増加している。専門家は、今回のケースは氷山の一角に過ぎない可能性があると指摘し、監視体制の強化を求めている。

当局によると、今回摘発されたブリーダーに対する刑事訴追は今のところ行われていない。押収した10万匹超のゴキブリはすべて処分される予定である。オーストラリア政府は違法な外来生物の飼育や取引に関与した場合、連邦法に基づき処罰の対象になると警告している。生物多様性保全を重視する同国にとって、今回のゴキブリ摘発は、生態系防衛の象徴的な事例となった。

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