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トランプ政権、中南米の犯罪組織へのテロ指定拡大、対象21団体に

今回の政策の背景には、トランプ大統領が麻薬密輸を単なる犯罪問題ではなく、米国の安全保障を脅かす「麻薬テロ」として扱っていることがある。
メキシコの麻薬組織「ハリスコ新世代」の戦闘員たち(Getty Images)

トランプ政権が中南米・カリブ海地域の犯罪組織に対する「外国テロ組織(FTO)」指定を拡大している。米国が指定した同地域の犯罪組織は21団体に達し、従来は国際テロ組織アルカイダやイスラム国(IS)など政治的・宗教的目的を掲げる武装組織が中心だったテロ指定制度が、麻薬カルテルやギャングなどにも広がっている。

今回の政策の背景には、トランプ(Donald Trump)大統領が麻薬密輸を単なる犯罪問題ではなく、米国の安全保障を脅かす「麻薬テロ」として扱っていることがある。2025年2月に指定を本格化させて以降、メキシコのシナロア・カルテルやハリスコ新世代、コロンビアのガルフ・クラン(クラン・デル・ゴルフォ、CDG)、ベネズエラのトレンデアラグアなどが対象となった。

指定対象はメキシコが最も多く、シナロアやハリスコ新世代など8団体に上る。中米ではMS-13やバリオ18、南米ではブラジルの主要犯罪組織、エクアドルのロス・ロボスやロス・チョネロス、ハイチのギャング連合なども含まれる。9月にはエクアドルの犯罪組織ロス・ティゲロネスも新たに指定された。同組織は2024年、テレビ局の生放送中に武装集団がスタジオを占拠する事件を起こし、エクアドル国内で大きな衝撃を与えた。

FTO指定には、組織の米国内資産を凍結したり、米国人による資金・物的支援を禁じたりする効果がある。さらにトランプ政権は、指定を軍事的対応を正当化する手段と位置付け、麻薬密輸船への攻撃など、従来の法執行を超えた強硬策を進めてきた。

一方、この方針には懸念もある。利益を目的とする犯罪組織を、政治的・宗教的動機を持つテロ組織と同じ枠組みで扱うことは、テロ対策の概念を広げすぎるとの指摘につながる。米国が軍事力を含む強硬策を拡大すれば、中南米諸国との主権や人権を巡る摩擦が強まる可能性もある。

それでもトランプ政権は、麻薬密輸と組織犯罪を米国の安全保障上の脅威と位置付け、地域各国との連携を強化している。9月にはエクアドルへの4500万ドル規模の安全保障支援を示したほか、ペルーも米国主導の対犯罪組織連合「シールド・オブ・ジ・アメリカズ(米州の盾)」への参加を表明した。

犯罪組織へのテロ指定が今後さらに拡大すれば、米国の中南米政策は麻薬対策から安全保障政策へと一段と軍事化する可能性がある。21団体への指定はトランプ政権が組織犯罪との戦いを従来より強硬な国家安全保障政策として位置付けていることを示している。

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