若者に広がる「歯ぎしり」、ストレスや生活習慣が背景、気づかないうちに歯を傷める可能性
歯ぎしりには、眠っている間に無意識に歯をこすり合わせる「睡眠時ブラキシズム」と、日中に歯を食いしばるなどの「覚醒時ブラキシズム」がある。
.jpg)
歯を強く食いしばったり、睡眠中に歯ぎしりをしたりする「ブラキシズム((歯ぎしり・食いしばり))」が、若い世代の間で目立つようになっていると一部の歯科医が指摘している。ブラキシズムは珍しい現象ではなく、成人のおよそ4人に1人が経験するとされる一方、自分自身では症状に気づいていない人も少なくない。
歯ぎしりには、眠っている間に無意識に歯をこすり合わせる「睡眠時ブラキシズム」と、日中に歯を食いしばるなどの「覚醒時ブラキシズム」がある。特に問題となるのは、本人が意識しないまま長時間にわたって強い力が歯や顎に加わるケースだ。症状が続けば、歯の表面がすり減ったり、ひびが入ったりするほか、知覚過敏や顎の痛みにつながることもある。
若い世代で増えているとされる背景として、歯科医らはストレスや不安、睡眠の乱れなどを挙げている。仕事や学業、人間関係に加え、スマートフォンやデジタル機器を長時間使用する生活によって、心身が十分に休まらない状態が続けば、無意識の食いしばりにつながる可能性がある。
ただし、歯ぎしりの原因を単純に「ストレスだけ」と考えることには注意が必要だ。睡眠の質、生活リズム、かみ合わせ、服用している薬など、複数の要因が関係する可能性があるためだ。本人が「歯ぎしりをしている」と自覚していなくても、朝起きたときに顎が疲れている、歯が痛む、頭痛がする、歯の先端が以前より平らになっているといった変化が手掛かりになる。
特に厄介なのは、歯ぎしりが「症状のない習慣」として始まり、歯へのダメージが蓄積してから問題が発覚することだ。歯が大きく摩耗してしまえば、元の状態に自然に戻すことはできない。そのため、歯科検診などで摩耗やひび割れを指摘された場合は、原因の一つとしてブラキシズムを疑う必要がある。
対策としては、まず自分が日中に歯を食いしばっていないか意識することが重要になる。上下の歯は通常、常に接触している必要はないため、力が入っていることに気づいたら顎を緩める習慣をつけることが考えられる。睡眠中の歯ぎしりについては、自分では確認しにくいため、家族から指摘されたり、歯科医から歯の摩耗を指摘されたりした場合には相談することが有効だ。
今回の専門家の指摘が示すのは、歯ぎしりが単なる「歯の癖」ではなく、若い世代の生活やストレスとも関係する身近な問題だという点である。自覚症状がなくても、朝の顎の疲れや歯の摩耗など小さな変化を見逃さず、必要に応じて歯科医に相談することが、将来的な歯の損傷を防ぐ一歩となる。
