チリ首都で反政府デモ、政府の緊縮財政に抗議、負傷者も
デモは学生連盟を中心に呼びかけられ、教員組合や高校生団体、共産党組織、女性団体などが参加した。
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チリの首都サンティアゴで3日、カスト(José Antonio Kast)大統領による教育予算削減計画と緊縮財政に反対する大規模な抗議デモが行われ、参加した学生や教員らと警察が衝突した。放水車や催涙ガスが投入される事態となり、複数の負傷者や拘束者が出た。カスト政権発足後、全国規模で行われた初めての大規模デモとなり、政権運営への不満の高まりを示す形となった。
デモは学生連盟を中心に呼びかけられ、教員組合や高校生団体、共産党組織、女性団体などが参加した。数千人規模の参加者が市中心部を行進し、政府が進める教育関連予算の削減や公共支出の抑制策に抗議した。当初は平和的に始まったものの、一部参加者と警察の間で緊張が高まり、乱闘に発展。警察は放水車や催涙ガスで対応し、市内の交通や地下鉄の運行にも影響が出た。
カスト氏は3月の就任以来、財政赤字の改善を目的として18カ月で約60億ドルの歳出削減を実施する方針を掲げている。その一環として全省庁に対し約3%の予算削減を求め、教育分野も対象となった。政府は財政健全化と経済成長の回復を理由に挙げているが、教育関係者や野党は「公教育への投資を後退させるものだ」と強く反発している。
参加した学生らは予算削減によって教育機会の格差が拡大し、低所得層の進学機会が失われる可能性があると訴えた。また、政府が検討している大学授業料支援制度の見直しについても批判が集中している。デモ参加者の中には教育問題だけでなく、燃料価格の上昇や社会保障費削減への懸念を訴える市民の姿も見られた。
今回の抗議デモはカスト政権に対する社会的反発が拡大していることを浮き彫りにした。カスト氏は治安対策や経済改革を重視する保守路線を掲げて当選したものの、就任からわずか3か月で支持率低下に直面している。議会では経済改革法案をめぐる議論が続いており、野党は教育や福祉分野への影響を問題視している。
チリでは過去にも学生運動が社会変革の原動力となってきた歴史がある。今回のデモが単発の抗議で終わるのか、それとも全国的な反政府運動へと発展するのかは不透明だが、教育予算削減をめぐる対立は今後も政権の大きな課題となりそうだ。政府と教育関係者の対話が進まなければ、さらなる抗議や社会の不安定化を招く可能性もある。
