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ペルー大統領選、選挙管理当局が包括的な監査を約束、結果確定せず

今回の選挙は30人以上の候補者が乱立する中で行われ、いずれの候補も過半数を得られなかったため、上位2人による決選投票が6月7日に予定されている。
2026年4月14日/ペルー、首都リマ、強硬右派のアリアガ候補の支持者たち(ロイター通信)

南米ペルーで4月12日に行われた大統領選挙を巡り、同国の選挙を監督する全国選挙審議会(JNE)は2日、開票結果の信頼性を確保するため、包括的なIT監査を実施すると強調した。この選挙は開票作業の遅れや不正疑惑の浮上により混乱が続いているため、透明性を強化する狙いがある。

全国選挙管理委員会(ONPE)によると、97.5%の票が集計された段階でも結果が確定しておらず、決選投票に進む2位候補がいまだ確定していない。右派のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏が得票率約17%で首位に立つ一方、2位争いは左派のロベルト・サンチェス(Roberto Helbert Sánchez Palomino)氏と強硬右派のアリアガ(Rafael López Aliaga)氏が約2万8000票差で競り合う接戦となっている。さらに100万票以上が再審査の対象となり、結果確定を一層遅らせている。

JNEは声明で、今回の監査を「透明性、完全性、信頼性を強化するための具体的かつ決定的な措置」と位置付けた。独立した監査によって選挙結果への信頼回復を図る考えで、監査は進行中の票の再検証作業を妨げるものではないとしている。

選挙を巡っては、複数の候補者が不正の可能性を主張し、混乱が広がっている。ただし、欧州連合(EU)の選挙監視団はこれまでのところ、不正の証拠は確認されていないと報告している。

また、開票の遅れや運営上の問題をめぐる批判の高まりを受け、ONPEのコルベット(Piero Corvetto)委員長が4月21日に辞任した。同氏は手続き上の遅延は認めつつも、不正行為自体は否定していた。

今回の選挙は30人以上の候補者が乱立する中で行われ、いずれの候補も過半数を得られなかったため、上位2人による決選投票が6月7日に予定されている。しかし、2位候補が決まっていないため、政治的な不透明感が長期化している。結果は5月15日までに確定する見通しだ。

ペルーでは近年、政情不安が続き、今回の選挙混乱は民主制度への信頼にも影響を与えかねない状況となっている。JNEによる監査の実施が選挙結果を巡る疑念を払拭し、政治的安定の回復につながるかが注目される。

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