アルゼンチン、一部工業製品の「輸出税」撤廃へ
経済省によると、現在4.5%となっている工業製品向け輸出税を2026年7月から毎月0.375ポイントずつ引き下げ、1年後に完全撤廃する方針だ。
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アルゼンチン政府は22日、自動車や石油化学製品など一部工業製品に課している輸出税を段階的に廃止すると発表した。ミレイ政権が進める市場重視改革の一環であり、輸出競争力の強化と外貨獲得を狙った措置となる。
経済省によると、現在4.5%となっている工業製品向け輸出税を2026年7月から毎月0.375ポイントずつ引き下げ、1年後に完全撤廃する方針だ。対象となるのは自動車、石油化学、化学製品、ゴム、機械関連など主要工業分野である。カプート(Luis Caputo)経済相は大豆やトウモロコシなど主要農産物についても輸出税の段階的削減を進めると表明した。
アルゼンチンでは長年、輸出税が政府財政を支える重要な収入源となってきた。特に農産物分野では「レテンシオネス」と呼ばれる輸出課税制度が定着し、歴代の左派政権が外貨確保や財政赤字補填のため活用してきた。しかし企業側からは輸出競争力を低下させる要因として批判が強く、産業界が減税を求めていた。
今回の措置の背景には、ミレイ政権が推進する経済自由化路線がある。ミレイ(Javier Milei)大統領は就任以来、規制緩和や歳出削減、為替管理の緩和など急進的改革を進めており、輸出税削減もその柱の一つと位置づけられている。政府は税負担軽減によって企業の輸出意欲を高め、停滞する経済成長の回復につなげたい考えだ。
統計局によると、2025年の自動車輸出額は87億8000万ドルで、総輸出の約1割を占めた。一方、石油・石油化学部門の輸出額は117億7000万ドルに達し、前年比12.8%増と大きく伸びた。政府は輸出税撤廃によってこれら成長分野への投資を呼び込み、輸出拡大を後押しできると期待している。
ただし、輸出税廃止には懸念もある。アルゼンチンは慢性的な財政赤字と高インフレに苦しんでおり、税収減が財政運営をさらに圧迫する可能性が指摘されている。国際通貨基金(IMF)との支援協議を進める中で、財政健全化との両立が課題となる。輸出拡大による経済成長が減収分を補えるかどうかが今後の焦点となりそうだ。
