◎ソーシャルメディアで共有された動画には、人質になった警察官らが狭い部屋の床に座っているところが映っていた。
2023年3月3日/コロンビア、南西部カケタ州、人質になった警察官と市民(Getty Images)

コロンビア当局は3日、南部カケタ州の石油ガス開発会社でデモ隊と警察が衝突し、警察官1人が死亡、79人が人質に取られたと発表した。

地元メディアによると、デモ隊は2日に開発会社エメラルド・エネジー(Emerald Energy)の敷地に侵入、占領したという。

デモ隊は地域住民で構成され、同社に道路の新設と修繕に協力するよう求めていた。

報道によると、この衝突で民間人と警察官が死亡、同社の作業員9人も人質に取られたという。

ソーシャルメディアで共有された動画には、人質になった警察官らが狭い部屋の床に座っているところが映っていた。

ペトロ(Gustavo Petro)大統領はSNSに声明を投稿。「人質の即時解放を望む」と述べ、赤十字国際委員会(ICRC)に医療支援を要請した。

報道によると、デモ隊はエメラルド・エナジーの開発と引き換えに道路の新設と修繕を求める農村部の住民や先住民で構成されるという。

コロンビア警察は衝突で死亡した警察官に哀悼の意を表し、人質救出に向けた取り組みを進めているとツイートした。

ロイター通信は州政府関係者の話を引用し、「警察官はナタによる攻撃で、民間人は銃で撃たれた死亡した」と報じている。

報道によると、この地域で活動する人権オンブズマンが仲裁に入り、デモ隊と交渉を進めているという。デモ隊はエメラルド・エネジーの施設を火炎瓶などで破壊したが、交渉が始まると攻撃をやめたようだ。

専門家によると、コロンビアの開発業者は開発と引き換えに道路や学校などのインフラ整備を行うことが多いという。

一方、州警察は「2016年に政府と和平協定を結んだコロンビア革命軍(FARC)の反対派グループが衝突に関与した可能性がある」と報告した。

政府は現在、同国最大の左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」と和平交渉を行っている。

「民族解放軍(ELN)」は1960年代に学生、労働組合、神父らによって結成され、キューバ革命からインスピレーションを得たとされる。構成員数は2500~4000人と推定され、ベネズエラでも活動し、金鉱山での違法採掘や麻薬密売で利益を上げている。

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