◎米議会は銃の暴力に歯止めをかけることに反対した。
2022年5月25日/ワシントンD.C.偽果議事堂、テキサス州銃乱射事件の犠牲者を称える半旗(Ted S. Warren/AP通信)

米上院で26日、銃規制を強化する国内テロ法案の採決が行われ、共和党の議事妨害で廃案となった。

民主党のシューマ―(Chuck Schumer)上院院内総務はニューヨーク州とテキサス州で発生した銃乱射事件を受け、憎悪犯罪と銃の安全性をめぐる難しい問題を本気で議論する必要があると共和党員に訴えたが、思いは届かなかった。

採決の結果、民主党は議事妨害の阻止に必要な60票を集めることはできず、法案は賛成47票―反対47票で廃案となった。

ホワイトハウスのジャンピエール(Karine Jean-Pierre)報道官は、「失望している」と述べた。

またジャンピエール氏は、全米ライフル協会などが銃規制関連の法案を阻んできたことは恥ずべきことであり、議会はこれを推進しなければならないと指摘した。「大統領は今こそ行動すべき時だとはっきり言っています」

テキサス州の小学校で児童19人と教師2人、NY州バッファローで10人が射殺されたにもかかわらず、米議会は銃の暴力に歯止めをかけることに反対した。

シューマー氏は投票は採決に先立ち、「われわれは銃規制が簡単なことだとは思っていない」と述べた。

AP通信によると、妥協点を見出したい約10人の超党派グループは26日の採決後、共和党の支持を得られる妥協案について協議したという。

超党派は「オンラインや店舗で銃を購入する際の身元確認」「他人に危害を加える可能性のある人を銃から遠ざける対策」「学校を含む特定の施設のセキュリティを強化するプログラム」にテーマを絞った。

バイデン(Joe Biden)大統領は殺傷能力の高い自動小銃の販売規制も求めている。

交渉を主導した民主党のマーフィー(Chris Murphy)上院議員はSNSに、「我々は様々な選択肢を持っている」と投稿した。超党派は来週、協議の結果を報告する予定。

共和党のグラム(Lindsey Graham)上院議員は採決後、連邦政府が提唱するいわゆるレッドフラッグ法やイエローフラッグ法(医師の署名があれば、自分や他人を傷つける恐れのある個人から一時的に銃器を没収できる法律)に対する意欲はないと述べた。

しかしグラム氏は、すでにレッドフラッグ法を施行している州や、施行を希望している州への資金提供には関心があると含みを持たせた。

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