米30年物固定住宅ローン金利、2週連続で上昇 2026年5月
今回の金利上昇の背景には米国債市場の不安定な動きがある。
.jpg)
米国の長期住宅ローン金利が再び上昇し、住宅市場への逆風が強まっている。住宅金融大手フレディマックが7日に公表したデータによると、30年固定型の住宅ローン金利は6.37%となり、前週の6.30%から上昇した。これで2週連続の上昇となり、4週間前と同じ水準まで戻った。前年同期の6.76%と比べれば低いものの、住宅購入希望者にとっては依然として大きな負担となっている。
15年固定型ローンの平均金利も5.72%となり、前週の5.64%から上昇した。こちらは主に借り換え需要に利用される商品だが、高金利環境の継続により、借り換え需要の回復も鈍い状況が続いている。
今回の金利上昇の背景には米国債市場の不安定な動きがある。住宅ローン金利は通常、米10年国債利回りの動向に連動するが、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇がインフレ懸念を強め、債券利回りを押し上げている。実際、10年国債利回りは7日時点で4.37%前後となり、2月末の3.97%から大きく上昇した。市場ではイラン情勢をめぐる不透明感が長引く限り、インフレ圧力が続くとの見方が広がっている。
住宅ローン金利は連邦準備制度理事会(FRB)の政策金利だけでなく、投資家による景気やインフレ見通しにも左右される。FRBはインフレ再燃への警戒から利下げに慎重な姿勢を維持しており、市場では「当面は高金利が続く」との観測が強い。その結果、今年2月に一時6%を下回った住宅ローン金利は再び上昇基調に転じている。
高止まりする住宅ローン金利は住宅市場の低迷をさらに長引かせる可能性がある。米国では2022年以降、急速な利上げを背景に住宅販売が落ち込み、中古住宅販売件数も低水準で推移している。今年の春季商戦も期待されたほど盛り上がっておらず、住宅購入を見送る消費者が増えている。ローン金利がわずかに上昇するだけでも、毎月の返済額は数百ドル単位で増えるため、購入可能な住宅価格帯が狭まるからだ。
一方で、市場には変化の兆しもある。住宅情報サイト「Realtor.com」によると、4月の住宅在庫は前年同月比で4.6%増加した。物件の売却期間が長引いていることから、売り手側が価格引き下げに動くケースも増えており、販売価格は6カ月連続で前年割れとなった。高金利によって需要が抑制される一方、供給面では徐々に買い手に有利な環境が整いつつある。
もっとも、市場関係者の間では、住宅ローン金利が今後急低下するとの期待は後退している。不動産調査会社ブライトMLSは「春に金利が6%を下回るとの期待は消えた」と指摘し、夏場にかけても「6%台半ばで推移する可能性が高い」との見通しを示した。住宅市場は当面、金利とインフレ動向に大きく左右される不安定な状況が続きそうだ。
