◎トランプ前大統領は先週放送された保守系メディアのインタビューの中でブースターを接種したと告白し、観客にブーイングを浴びた。
2021年9月25日/ジョージア州ペリーで開催された保守集会、ドナルド・トランプ前大統領(Getty Images/AFP通信/PAメディア)

ドナルド・トランプ前大統領は12月21日に公開されたポッドキャスト・インタビューの中でコロナワクチンの有効性を認めたが、マスク着用と接種の義務化には強く反対した。

トランプ前大統領は先週放送された保守系メディアのインタビューの中でブースターを接種したと告白し、観客にブーイングを浴びていた。「まあまあまあまあ。怒らないでください。私が作ったワクチン...」

トランプ前大統領は保守的なニュースウェブサイト、デイリーワイヤーのポッドキャスト・インタビューの中で、政権のコロナワクチン開発を最大の成果のひとつと呼び、称賛した。「ワクチンは私が達成した偉業のひとつです。私はわずか9カ月足らずでそれを作りました...」

トランプ前大統領は共和党支持者に「ワクチンを接種すれば保護される」と語った。「まだワクチンを接種していない人がいますね。接種するか否かは個人の選択です。そして、私のワクチンを接種した人は保護されます」

デイリーワイヤーの司会者が、「バイデン政権のコロナ死者数はワクチン展開が始まっていたにもかかわらず、トランプ政権より多い」と述べると、トランプ前大統領は「はい」と答えた。

米国のワクチン展開は今年の2月以降に本格化した。ジョー・バイデン大統領は就任直後に「マスク着用100日チャレンジ」の開始を宣言し、その後、6月中旬の新規陽性は10,000件台まで減少したが、現在激しいリバウンドに見舞われている。

トランプ前大統領は司会者に、「ワクチンは素晴らしい」と語った。「見てください。ワクチン接種が進んだ結果、死者は激減しました。接種後コロナに感染した患者のほとんどが無症状です。接種しても死にません。安心してください」

またトランプ前大統領はマスク着用と接種の義務化に強く反対するとあらためて表明し、コロナに感染し回復した人はワクチンと同様の強力な免疫を持っていると主張した。一部の医療専門家も感染で得られる免疫の方がワクチンより強力と主張している。

トランプ前大統領は、「義務化には強く反対するが、私の偉業であるワクチンの存在を忘れてはならない」と強調した。「私が思いついた3つのワクチン(ファイザー、モデルナ、J&J)は非常に優れています。その開発には5年から12年かかるはずでした。しかし、私はやりました」

トランプ前大統領は、先週放送された保守系メディアのインタビューの中ではワクチン接種の推奨をためらっているように見えたが、フォックスニュースの元司会者であるビル・オライリー氏はもっと成果を強調すべきだと指摘した。

セクハラ疑惑を示談金約50億円でもみ消したとされるオライリー氏はトランプ前大統領に、「あなたは歴史的なことをした」と述べ、称賛した。「あなたはやったんです。あなたは数億人を救った。世界はあなたがやったことを知っています」

トランプ前大統領はオライリー氏に「ブースターを接種したか?」と尋ねられ、「はい」と答え、ブーイングを浴びた。「まあまあまあまあ。怒らないでください。共和党の愛のブーイング...」

一方、バイデン大統領は21日の演説でトランプ前大統領の発言に触れ、「前大統領もブースターを接種した」と強調した。「彼も接種しました。恐らく、ブースターは彼と私の数少ない共通点のひとつです」

またバイデン大統領はトランプ政権のコロナ対応チームであるオペレーション・ワープスピードについても言及した。「前政権と現政権の科学者のおかげで、米国は優れたワクチンを入手できました」

ホワイトハウスのジェン・サキ報道官もトランプ前大統領のインタビュー動画の一部をツイートし、国民にワクチンを接種するよう促した。

サキ報道官は23日の定例会見で、「バイデン大統領とトランプ前大統領はパートナーシップを結んだのか?」という質問に、「わからない」と答えた。

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