米国「スクリューワームハエ症」検出、テキサス州当局が対応急ぐ
スクリューワームはハエが傷口や粘膜に産卵し、孵化した幼虫が生きた組織を食べながら体内に侵入する。
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米南部テキサス州のメキシコ国境近くで家畜の組織を食い荒らす寄生虫「スクリューワーム(新世界ラセンウジバエ)」が子牛1頭から検出され、地域の牧場主らに緊張が広がっている。米国内で家畜への感染が確認されたのは60年ぶりで、全米最大の畜産地帯であるテキサス州の牛肉産業への影響が懸念されている。
感染が確認されたのはメキシコ国境から約50キロのザバラ郡にある牧場で飼育されていた子牛。スクリューワームはハエが傷口や粘膜に産卵し、孵化した幼虫が生きた組織を食べながら体内に侵入する。治療が遅れれば家畜を死に至らしめることもあり、牛や馬、羊だけでなく野生動物やペットにも感染する危険がある。
スクリューワームは1960年代から70年代にかけて、米国とメキシコが不妊化したハエを大量に放つ防除作戦を実施したことで根絶に成功した。しかし近年、中米諸国やメキシコで拡大し、徐々に北上していた。米農務省(USDA)は数カ月前から警戒を強めていたが、今回ついに米国内で感染例が確認されたことで、牧場関係者の不安が一気に高まった。
USDAは感染確認を受け、ザバラ郡で家畜の移動制限を実施するとともに、トラップの設置や監視活動を強化している。また、不妊化したハエを空中散布し、繁殖を抑える対策も開始した。現時点では追加の感染例は確認されていないが、当局は封じ込めの成否を左右する重要な局面だとして警戒を続けている。
テキサス州は米国最大の牛肉生産州である。近年は干ばつや飼料価格高騰の影響で牛の飼育頭数が歴史的低水準に落ち込んでおり、今回の寄生虫問題は業界に新たな打撃を与えかねない。市場では感染確認を受けて牛関連商品の価格が上昇し、投資家や畜産業界も状況を注視している。専門家はもし感染が広範囲に拡大すれば、テキサス州だけで最大18億ドル規模の経済損失につながる可能性があると警告している。
半世紀以上前に克服したはずの害虫の再来は、米国の畜産業にとって大きな試練となっている。今後数週間の封じ込め対策の成否が、牛肉供給や畜産経営への影響を左右することになりそうだ。
