米国民の多くが国内旅行を選択、中小企業が存在感高める
米自動車協会(AAA)によると、独立記念日前後には7220万人が自宅から50マイル(約80キロ)以上移動すると予測され、その大半が自動車を利用する見込みだ。
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米国では物価高や航空運賃の上昇を背景に、自宅から比較的近い観光地を訪れる旅行者が増えており、各地の中小企業が好調な夏商戦を迎えている。海外旅行や長距離旅行を控え、車で行ける距離の旅行や日帰り旅行を選ぶ人が増えたことで、地方の観光地や商店街、飲食店、宿泊施設などに恩恵が広がっている。
米自動車協会(AAA)によると、独立記念日前後には7220万人が自宅から50マイル(約80キロ)以上移動すると予測され、その大半が自動車を利用する見込みだ。ガソリン価格は依然として高水準にあるものの、航空運賃より負担が小さいことから、多くの家族がロードトリップを選択している。旅行先では外食を減らしたり、自炊を取り入れたりするなど、節約を意識した行動も目立つ。
観光地ではこうした需要を取り込もうと工夫を重ねている。カリフォルニア州とネバダ州にまたがるタホ湖周辺では、自然を生かしたアウトドア体験や貸別荘の利用が好調で、車で訪れる旅行者が地域経済を支えている。また、2024年のハリケーン被害から復興が進むノースカロライナ州アッシュビルでも、川下りや地元の観光施設を目的に訪れる観光客が戻り始め、中小事業者の売り上げ回復につながっている。
さらに、開催中のFIFAワールドカップ北中米大会や建国250年関連のイベントも国内旅行を後押ししている。ワールドカップ開催都市の一つであるミズーリ州カンザスシティでは、近隣州からの来訪者が増加し、飲食店や小売店では売り上げが伸びているという。比較的手頃な旅行費用で楽しめることも人気を集める要因となっている。
一方で、家計への負担は依然として重い。旅行日数を短縮したり、遠距離旅行を見送ったりする家庭も少なくなく、旅行需要が完全に回復したわけではない。それでも、「遠くへ行くより近場で楽しむ」という消費者の意識の変化は、中小企業にとって新たなビジネス機会となっている。今夏の米国では、節約志向と旅行需要が共存する中、地域密着型の観光産業が存在感を高めている。
