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EU「域内製造」法案、英国が参加を要請、中国依存低減狙うも自動車産業に懸念

EUの執行機関である欧州委員会が3月に公表した「産業加速法(Industrial Accelerator Act)」案は、公共調達や公的な入札、補助金制度などで購入される製品について、EU域内で製造された部品の使用や低炭素化を求めるものだ。
EUの旗(Getty Images)

欧州連合(EU)が域内産業の強化を狙って導入を進める「Made in EU(EU域内製造)」ルールをめぐり、イギリスがEUに参加を認めるよう求めている。英国のバーナム(Andy Burnham)首相は22日、英国をEUにとっての「信頼できるパートナー」として扱うべきだと主張し、対象から英国が外れれば英国の自動車産業に影響が及ぶとの懸念を示した。

EUの執行機関である欧州委員会が3月に公表した「産業加速法(Industrial Accelerator Act)」案は、公共調達や公的な入札、補助金制度などで購入される製品について、EU域内で製造された部品の使用や低炭素化を求めるものだ。対象は電気自動車(EV)、蓄電池、太陽光・風力発電、水素、原子力のほか、鉄鋼、アルミニウム、セメントなど戦略的な産業に及ぶ。

具体的な基準も示されている。太陽光パネルでは、3年以内にインバーターと太陽電池を欧州製にすることが求められる。公共調達で購入されるEVについては、EU域内で組み立てられ、バッテリーを除く部品の70%をEU域内で製造することが、法施行から6カ月後に必要となる。アルミニウムについては25%をEU域内製かつ低炭素とする案で、鉄鋼にはEU域内製の比率ではなく25%の低炭素基準を設ける。

背景には、中国への依存を減らし、域内企業の競争力を高める狙いがある。EUは加盟国の公共調達市場だけでも年間2兆ユーロ超とされる巨大な購買力を活用し、域内産業を支援する考えだ。特に太陽光関連など中国企業の生産比率が高い分野では、欧州域内の供給能力を引き上げることが政策上の課題となっている。

一方、英国にとって問題となるのが「EU製」の定義だ。現案ではEU27カ国に加え、単一市場に参加するアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーが自動的に対象となる。EU域外国については、公共調達や補助金市場への相互アクセスなど一定の条件を満たせば対象となる可能性があるが、英国が含まれるかはまだ決まっていない。英国自動車工業会は、英国が除外されればEUと英国のサプライチェーンや約800億ユーロ規模の貿易関係に影響する可能性があると指摘している。

法案には1億ユーロを超える戦略分野への外国投資に関する条件も盛り込まれる。投資元の国が世界生産の40%以上を占める場合、EU企業の過半数株式取得を制限し、欧州人材の雇用や知的財産のライセンスなどを求める内容で、中国を念頭に置いた措置とみられている。

今後、EU加盟27カ国と欧州議会が最終案を協議する。フランスは域外国の参加条件を厳格化する方向を求める一方、スウェーデンやチェコは規制強化が投資を妨げ、価格上昇につながる可能性を懸念している。ドイツも欧州製品を優先する規則は最後の手段にすべきとの慎重な姿勢を示しており、英国の扱いを含めて法案の内容は今後変わる可能性がある。

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