SHARE:

ベネチア、観光客入場料を最大30ユーロに引き上げ検討、オーバーツーリズム対策を強化

ベネチアでは観光客の集中による混雑、市民生活への影響、人口減少などが長年の課題となっている。
水の都ベネチアの運河(Getty Images)

イタリア北部ベネチアが、日帰り観光客を対象とする入場料について、2027年から1日最大30ユーロ(約5400円)に引き上げる案を検討している。現在の料金は5~10ユーロで、適用期間を拡大することも検討されている。市の予算・税務担当評議員ミケーレ・ズーイン(Michele Zuin)氏が21日、明らかにした。

ベネチアでは観光客の集中による混雑、市民生活への影響、人口減少などが長年の課題となっている。ズーイン氏は現在の5~10ユーロという料金では「ほぼ誰にとっても負担にならない」と指摘し、観光客の流入を抑えるための抑止効果が薄れているとの認識を示した。

入場料制度は2024年に導入された。日帰り観光客のみが対象で、事前予約をした観光客には低い料金が適用されるほか、14歳未満の子どもなどには免除規定がある。宿泊を伴う観光客なども対象外となっている。

2026年は4月3日から7月26日までの一部の日に、午前8時30分から午後4時まで徴収された。この期間には約68万枚のチケットが販売され、市には520万ユーロを超える収入がもたらされた。市当局は、メーデーの祝日など特に混雑する時期への観光客集中を緩和することも制度の目的としている。

料金については最大50ユーロという案も浮上しているが、ズーイン氏は最終的には30ユーロを上限とする可能性を示している。ただし、2027年の料金や適用日数などについては今後、中央政府との協議・合意が必要となる。

ベネチアは歴史的建造物や運河などを抱える一方、観光への依存と住民人口の減少という相反する課題に直面している。入場料の引き上げと適用期間の拡大が観光収入の確保だけでなく、混雑する時間帯への来訪をどこまで分散できるかが今後の焦点となる。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします
あなたへのおすすめ