モルディブ・イタリア人ダイバー事故、4人の遺体返還、業務上過失致死容疑で捜査中
事故は5月14日、モルディブ中部のバア環礁付近で発生した。
.jpg)
インド洋の島国モルディブで死亡したイタリア人ダイバー4人の遺体が23日、イタリアへ送還された。この事故では計5人が命を落としており、モルディブ史上でも最悪規模のダイビング事故として波紋を広げている。イタリアとモルディブの両当局は、事故原因や安全管理体制について本格的な調査を進めている。
死亡したのは、ジェノバ大学に関係する海洋研究チームのメンバーら。遺体は首都マレから航空機で搬送され、イタリア北部ミラノ近郊の空港に到着した。今後、司法解剖が行われ、詳しい死因の確認が進められる。1人の遺体はすでに返還済みである。
事故は5月14日、モルディブ中部のバア環礁付近で発生した。5人は海中の洞窟地帯を調査する潜水を行っていたが、その後消息を絶った。現場の洞窟は水深50〜60メートル付近に位置し、通常のレジャーダイビングの安全基準を大きく超える深さだった。洞窟内部は複雑に入り組み、視界も悪く、わずかな判断ミスが致命的な事故につながる危険性があった。
捜索活動は難航した。モルディブ軍のダイバーらが当初対応したが、作業中に軍のダイバー1人が減圧症を発症し亡くなったため、一時作業が中断された。その後、フィンランドから高度な技術を持つ洞窟ダイバーが派遣され、危険な潜水作業を繰り返した末、洞窟の奥深くで4人の遺体を発見、収容した。専門家によると、洞窟ダイビングでは緊急時に直接水面へ浮上できず、空気供給や進行方向を誤れば短時間で命を落とす危険があるという。
さらに、事故を巡っては安全管理上の問題も指摘されている。作業に参加した専門家は洞窟潜水で通常設置される安全用ガイドロープが現場で確認できなかったと証言した。イタリアメディアによると、参加者の一部は正式な許可申請に含まれていなかった可能性があり、使用装備も本格的な洞窟潜水向けとしては不十分だったとの見方が出ている。ローマ検察は業務上過失致死容疑で捜査を開始し、モルディブ当局も関係する潜水ツアー会社に対し営業停止処分を下した。
世界有数のダイビングリゾートとして知られるモルディブでは近年、高難度の洞窟潜水ツアーが人気を集めている。一方で専門家らは、洞窟ダイビングは通常のスキューバダイビングとは全く異なる高度な技術と経験を必要とすると警告しており、今回の事故を受けて安全基準の見直しを求める声が高まっている。
