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フランス、イスラエル治安相の入国禁じる、ガザ支援船団への虐待疑惑巡り

フランス外務省はX(旧ツイッター)への投稿で、「本日からベン・グヴィル氏のフランス入国を禁じる」と表明したうえで、欧州連合(EU)にも同様の制裁措置を求めた。
2025年5月26日/イスラエル、エルサレムの旧市街、ベン・グヴィル治安相(中央)と警察官たち(ロイター通信)

フランス政府は23日、イスラエルの超国家主義政党「ユダヤの家」のベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)治安相に対し、フランス領への入国を禁止すると発表した。背景には、ガザ支援船団の活動家らに対する同氏の対応をめぐり、欧州各国で批判が強まっていることがある。

フランス外務省はX(旧ツイッター)への投稿で、「本日からベン・グヴィル氏のフランス入国を禁じる」と表明したうえで、欧州連合(EU)にも同様の制裁措置を求めた。今回の措置はガザ地区へ人道支援物資を運ぼうとしていた国際船団の活動家たちがイスラエル当局に拘束された問題を受けたものだ。

問題となったのは、イスラエル海軍が地中海上で船団を拿捕した後に公開された映像だった。映像では、拘束された活動家らが手を縛られた状態で並ばされ、その様子をベン・グヴィル氏が嘲笑するような態度で見守っていた。拘束された活動家の一部は、その後の収容中に暴行や侮辱的扱いを受けたと主張しているが、イスラエル側は虐待を否定している。

この対応は欧州各国の反発を招き、欧州理事会のコスタ(Antonio Costa)常任議長も「到底容認できない」と非難した。さらにポーランド政府もベン・グヴィル氏の入国禁止を求める方針を示し、対イスラエル外交をめぐる欧州内の強硬論が広がりつつある。

一方、イスラエル国内でも波紋が広がっている。ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相はベン・グヴィル氏の行動が「イスラエルの価値観に反する」として距離を置く姿勢を示した。米国からも批判の声が上がり、イスラエル政府内でさえ同氏の過激な言動への懸念が高まっている。

ベン・グヴィルはパレスチナ政策で強硬姿勢を取ることで知られ、これまでも欧米諸国から批判を受けてきた。今回のフランスによる入国禁止措置はガザ情勢をめぐる国際社会の対立が、外交制裁という具体的行動に発展した象徴的事例といえる。今後、EU全体で制裁議論が進むかどうかが焦点となる。

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