◎与党・セルビア進歩党(SNS)は国民議会選と地方議会選で野党を圧倒した。
2023年12月29日/セルビア、首都ベオグラード、道路で野営するデモ隊(Darko Vojinovic/AP通信)

セルビアの首都ベオグラードで総選挙の結果に異議を唱える学生が道路封鎖デモを開始した。現地メディアが29日に報じた。

学生たちは大統領府近くの道路にテント、テーブル、イス、寝袋などを設置。大音量で音楽を鳴らし、ブチッチ政権に抗議した。

地元メディアによると、市中心部ではこの影響で大渋滞が発生したという。

今月の国民議会選(一院制、定数250)で過半数を堅持したブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領は野党デモに「外国勢力が関与している」と主張。「外国勢力が国家機関を乗っ取ろうとしている」と非難した。

30日の野党集会には1万人以上が参加する予定だ。

各地でデモを主催する野党連合はブチッチ氏を「リトルプーチン」「ロシアの奴隷」などと呼び、選挙のやり直しとブチッチ氏の辞任を求めている。

与党・セルビア進歩党(SNS)は国民議会選と地方議会選で野党を圧倒した。野党はベオグラードで不正が散見されたと主張。西側の選挙オブザーバーも懸念を表明している。

道路封鎖デモに参加した女子学生はAP通信の取材に対し、「私はセルビアの民主主義を取り戻し、公正な条件で選挙を行うよう求めるために戦っています」と語った。

一部の野党議員はハンガーストライキで抗議の意思を示し、有権者に対し、平和的にデモを行うよう呼びかけている。

一方、ポピュリストたちは野党の主張を否定。投票翌日に公表された結果で不正がみられたと指摘する国際監視団の批判を一蹴した。

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