◎両首脳はロシア主導の経済ブロック「ユーラシア経済同盟」の首脳会議後、会談を行った。
2024年5月8日/ロシア、首都モスクワ、プーチン大統領(右)とアルメニアのパシニャン首相(ロイター通信)

アルメニアのパシニャン(Nikol Pashinyan)首相が8日、ロシアの首都モスクワを訪れ、疎遠になっていたプーチン(Vladimir Putin)大統領と久しぶりに会談した。

両首脳はロシア主導の経済ブロック「ユーラシア経済同盟」の首脳会議後、会談を行った。

プーチン氏は前日の豪華な就任式で通算5期目をスタートさせたばかりである。

会談の冒頭、プーチン氏は記者団に対し、「二国間の貿易は拡大している」と述べる一方、この地域の安全保障でいくつかの問題があることを認めた。

昨年12月以来のモスクワ訪問となったパシニャン氏は「それ以来、問題が山積している」と語った。

アゼルバイジャン政府は昨年9月、アルメニアの破壊工作員が仕掛けた地雷により兵士2人と民間人4人が死亡したことを受け、係争地ナゴルノカラバフへの「対テロ作戦」を開始。アゼル軍の集中砲火を受けたナゴルノカラバフの反政府勢力はまもなく降伏し、アゼル政府の要求を全面的に受け入れた。

ナゴルノカラバフは国際的にはアゼルの領土とみなされているが、1994年に終結した分離戦争以来、アルメニア政府の支援を受ける反政府勢力の支配下に置かれ、住民の大半はアルメニア人で構成されていた。

アゼル軍の勝利により、30年にわたるアルメニア人支配に終止符が打たれ、市民約12万人がアルメニアに逃れた。

アルメニアはロシアが主導する旧ソ連圏軍事同盟「集団安全保障条約機構(CSTO)」の加盟国であり、アゼル軍の攻撃を受けた際、プーチン氏に支援を要請していた。

またアルメニア政府は2020年のナゴルノカラバフ紛争でもロシアがアゼル寄りの姿勢を見せたと非難。それ以来、両国の関係は緊張状態にある。

ロシアは友好国アゼルとの関係悪化を望まず、紛争に介入する権限がなかったとして、アルメニアに自制を求めていた。

アルメニアとアゼル政府は戦争捕虜の交換と平和条約締結に向けた協議を続けている。

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