◎ナワリヌイ氏は懲役19年を言い渡され服役していた北部ヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所で16日に死亡したとされる。
2024年2月16日/セルビア、首都ベオグラード、ナワリヌイ氏の死を悼む人々(AP通信)

ロシアの独立系人権団体OVDインフォは17日、獄中で死亡したとされる反体制派指導者ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏を悼む人々が機動隊に襲われ、32の都市で少なくとも401人が逮捕されたと発表した。

ソーシャルメディアで共有された動画にはナワリヌイ氏の遺影に献花した人々が機動隊に殴られるところが映っていた。

OVDインフォによると、首都モスクワの中心部にある旧ソ連時代の記念碑には重武装兵が数十人配備されたという。

その様子を撮影した動画には、武装兵が花束を持った人々を抑え込み、数人を警察車両に放り投げる様子が映っていた。

第2の都市サンクトペテルブルクでも記念碑や広場に重武装兵が配備され、花束を持ち寄った人々を威嚇したり、質問したりしていた。

ナワリヌイ氏は懲役19年を言い渡され服役していた北部ヤマロ・ネネツ自治管区の刑務所で16日に死亡したとされる。

ナワリヌイ氏の弁護士らは刑務当局などを通じて同氏が亡くなったことを確認したとしているが、遺体は確認できていないようだ。

弁護士たちはナワリヌイ氏の遺体を家族に引き渡すよう要求している。

ロシア独立系紙ノーバヤ・ガゼータは17日、関係者の話しとして、「弁護士らは刑務当局からナワリヌイ氏の遺体があるといわれた場所に向かったが、何もなかった」と伝えている。

欧米諸国でもナワリヌイ氏の死に抗議する集会などが開かれ、数千人のロシア人がプーチン政権を糾弾した。

OVDインフォは公式ウェブサイトに声明を投稿。「ナワリヌイ氏を公の場で追悼したり、集会に参加すれば逮捕される可能性が高い」と警告した。

ナワリヌイ氏の弁護士らはロシア当局が殺害の証拠を消すために遺体を持ち去ったと非難している。

国連人権理事会は17日、「ナワリヌイ氏の死はロシア政府が反体制派に行っている弾圧の氷山の一角にすぎない」という見方を示し、その死に関する信頼できる公正な調査を行うよう改めて要請した。

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