英仏の右派政党、ドーバー海峡の小型ボート移民阻止で協力へ
計画の柱は、英国に小型ボートで到着した亡命申請者をフランスへ送り返し、フランス側がさらに本国への送還を進める仕組みを構築することだ。
とフランスの極右政党「国民連合(RN)」のバルデラ党首(ロイター通信).jpg)
イギリスのポピュリスト政党「リフォームUK」とフランスの極右政党「国民連合(RN)」は4日、フランスから英国へ小型ボートで渡る移民を阻止するための協力計画で合意した。英中部バーミンガムで開かれたリフォームUKの党大会で、同党のファラージ(Nigel Farage)党首とRNのバルデラ(Jordan Bardella)党首が覚書に署名した。
計画の柱は、英国に小型ボートで到着した亡命申請者をフランスへ送り返し、フランス側がさらに本国への送還を進める仕組みを構築することだ。両党は国境管理を強化するとともに、移民対策に必要な安全保障関連費用を分担する仕組みの創設も掲げている。
英仏海峡の移民問題は、英国で長年にわたり政治的な争点となっている。ボートは定員を大幅に超えて人を乗せるケースもあり、海峡の強い潮流や悪天候によって多くの死者が出ている。一方で、英国では移民問題への対応を巡り、リフォームUKが与党・労働党政権への対抗勢力として支持を広げている。
ファラージ氏は移民流入の抑制を党の主要政策に位置付け、今回の合意によってフランス側との連携を強める姿勢を示した。バルデラ氏が率いるRNも移民規制の強化を主要政策とし、2027年の大統領選を前に、同党は世論調査で有力な位置を占めている。
ただし、今回の計画が実際に機能するかは不透明だ。フランスのマクロン(Emmanuel Macron)大統領はこれまで、英国が一方的に移民をフランスへ送り返す構想について、フランスの主権を侵害する可能性があるとして否定的な立場を示してきた。英仏両国の政府間協議と、今回の右派政党同士の合意には隔たりがある。
英仏両政府はすでに小型ボートによる渡航を抑制するため協力しており、英国はフランスの国境警備強化などを支援するため、3年間で最大6億6000万ポンドを拠出する計画を進めている。今回の合意はこうした政府間協力とは別に、欧州の右派勢力が国境管理と移民政策を共通課題として連携を深めていることを示す動きとなった。
