◎貨物船フェリシティ・エース号は2週間前にポルトガル近海で火災に見舞われた。
2022年2月18日/ポルトガル海軍がウェブサイトで公開した写真、高級車を乗せた貨物船(Portuguese Navy/AP通信)

3月1日、ポルトガル海軍はドイツから米国に高級車を輸送していた貨物船がポルトガル近海で沈没したと発表した。

貨物船フェリシティ・エース号は2週間前にポルトガル近海で火災に見舞われた。

乗組員22人は2月16日に全員救助され、けが人はいなかった。火災は16日の未明に発生したと伝えられている。現場はポルトガルのファイアル島(ポルトガル領アゾレス諸島)の南西約90kmの地点。

消火に当たったポルトガル当局は以前の声明で、「火元は電気自動車のリチウム電池の可能性が高い」と述べていたが、地元メディアによると、確たる証拠は見つかっていないとのこと。

フェリシティ・エース号にはポルシェやベントレーなど、少なくとも1,000台以上の高級車が積まれていた。

ベントレーは189台、ポルシェは約1100台を輸送していたと明らかにしているが、車種には言及していない。AP通信によると、米国のディーラーはポルシェの顧客に連絡を入れているという。

ポルシェ・カーズ・ノース・アメリカ社はAP通信の取材に対し、「当社はこの事故の影響を受けたすべての車の交換に取り組んでおり、まもなく製造が始まる」と述べた。

船主であるシンガポールの商船三井シップマネジメントも1日の声明で、フェリシティ・エース号が沈没したと発表した。

同船はドイツのエムデン港から米国のロードアイランド州に向かう途中だった。

消火活動にあたったファイアル島の当局者はロイター通信の取材に対し、「28日時点で油漏れは確認されていないが、今後はどうなるか分からない」と述べた。

現地の水深は約3,500mと伝えられている。

ロイター通信によると、フォルクスワーゲンは損害を保険でカバーするという。補償額は約1億5,500万ドル(約180億円)。

ある顧客はツイッターに、「自分のポルシェが海の藻屑になった」とツイートした。一方、別の顧客は、「自分のポルシェが再注文された」とツイートしている。

ポルトガル空軍と海軍は汚染の兆候を監視することになっている。

ポルシェ・パナメーラ(Getty Images/AFP通信)
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