◎迷子のシロイルカは先週、北極圏の生息地から遠く離れた生ぬるいパリのセーヌ川で初めて目撃された。
フランスの環境保護団体は8日、首都パリ西部のセーヌ川に迷い込んだシロイルカを救出する作戦について、餌付けがうまくいかず難航していると報告した。
シロイルカはイッカク科シロイルカ属に分類されるクジラ類。欧州ではシロクジラやベルーガと呼ばれている。
反捕鯨団体シー・シェパードのフランス支部によると、シロイルカはパリ北西約70kmのヴェルノンの閘門（こうもん）を通過できずにいるという。
同支部は8日、「閘門を通過する方法を検討中」とツイートした。ノルマンディー方面（イギリス海峡側）に進むためには閘門を通過しなければならない。
AFP通信は消防の調査に参加している専門家の話を引用し、「この生ぬるい水の中に長時間とどまるべきではない」と報じている。
迷子のシロイルカは先週、北極圏の生息地から遠く離れた生ぬるいパリのセーヌ川で初めて目撃された。イギリス海峡からパリまでは100km以上離れており、専門家によると、衰弱した状態で自力で泳いで戻るのは困難だという。
シー・シェパードフランス支部はニシンやマスを与えようとしているが、シロイルカはこれを拒み、フラフラ泳ぎ続けている模様。
同支部は、「シロイルカはまだ食べてくれないが、好奇心を示し続けている」とツイートしている。また、抗生物質が効いた可能性があると報告した。
抗生物質をどのように与えたかは明らかにされていないが、国営フランス・テレビジョンは当局者の話を引用し、「シロイルカに食欲を刺激するビタミン剤が投与された」と報じている。
消防はドローンでシロイルカを追跡し、下流側に誘導する方法を検討している模様。
シー・シェパードは先週末から冷凍ニシンや生きたマスを与えようしているが、いずれも失敗に終わっている。
野性のシロイルカは魚類、カニなどの甲殻類、貝類、環形動物などを食べると考えられている。
