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EUの防衛強化、2030年目標に遅れ、欧州防衛庁が「決定的な変化」求める

報告書は、厳しさを増す安全保障環境とロシアの侵攻による脅威に対応するため、2030年の防衛準備態勢に向けて「現在より大幅に速く進める」必要があると指摘した。
ベルギー、ブリュッセルのEU本部(Getty Images)

欧州連合(EU)の防衛強化について、欧州防衛庁(EDA)は9月24日、ロシアによる脅威に備え、2030年までに防衛態勢を整えるには、現在の取り組みでは不十分だとする初の年次「防衛準備報告書」を公表した。EU加盟27カ国の現在の計画では、防空・ミサイル防衛、地上戦力、海軍、弾薬備蓄、ドローンなどの重要分野で不足を埋める目標を達成できない可能性があるという。

報告書は、厳しさを増す安全保障環境とロシアの侵攻による脅威に対応するため、2030年の防衛準備態勢に向けて「現在より大幅に速く進める」必要があると指摘した。EU首脳が各国の防衛力強化の進捗を評価するため、前年に作成を指示していたもので、ウクライナ戦争に加え、米国から欧州諸国に自国の安全保障への負担を増やすよう求める動きも背景にある。

EUでは防衛支出そのものは大きく増えている。EDAによると、加盟27カ国の防衛支出は2025年に計4180億ユーロとなり、前年比で20%増加した。2026年は4540億ユーロに達する見通しで、防衛費の域内総生産(GDP)比も2025年の2.2%から2026年には2.4%に上昇すると予測されている。

しかし、EDAが問題視するのは支出額だけではない。各国が個別に装備を調達すれば、同じ能力への重複投資や相互運用性の問題が生じる可能性があるため、共同調達や欧州の防衛産業の生産能力を高める必要がある。EUは防空、ドローン、弾薬、軍事輸送、海上能力などを優先分野として位置付けており、各国の計画をより緊密に連携させることを目指している。

EUの執行機関である欧州委員会も6月、2030年までの防衛準備を「決定的に」強化する方針を確認し、防衛費の増加だけでなく、装備をより速く共同調達し、防衛産業が必要な規模と速度で生産できる体制を整える必要性を強調した。

今回の報告書は欧州が防衛支出を増やす段階から、実際の軍事能力をどれだけ迅速に整備できるかという段階に移ったことを示している。

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