EU、パレスチナ問題に関する国際会議を開催、60カ国以上が参加
EUはこれまで、パレスチナに対する最大の資金支援者でありながら、外交面では中東和平プロセスにおいて主導的役割を果たせていなかった。
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欧州連合(EU)は4月20日、ベルギー・ブリュッセルでパレスチナ問題に関する国際会議を開催し、中東和平への関与を強める姿勢を鮮明にした。会議には60カ国以上が参加し、ガザ地区やヨルダン川西岸の安定化と長期的な和平の実現に向けた議論が行われた。
EUはこれまで、パレスチナに対する最大の資金支援者でありながら、外交面では中東和平プロセスにおいて主導的役割を果たせていなかった。特にガザ戦争後の停戦交渉では主導権を握れず、国際的な影響力の限界が指摘されていた。今回の会議はそうした状況を転換し、EUがより積極的に外交関与する狙いがあるとみられる。
背景にはEU内部の政治変化もある。イスラエル寄りの姿勢でEUの対イスラエル政策にたびたび拒否権を行使してきたハンガリーのオルバン政権が退き、マジャル(Péter Magyar)次期首相がよりバランスの取れた外交姿勢を示したことで、EUとしての政策転換の余地が広がった。これにより、イスラエルに対する制裁や政策見直しを巡る議論が進展する可能性が出ている。
会議では、イスラエルとEUの関係を規定する連合協定の見直しや、ヨルダン川西岸でのユダヤ人入植者による暴力行為に対する制裁措置なども議題となった。ただし、ドイツやオーストリアなどイスラエル寄りの加盟国もあり、強硬措置の実現には依然として内部の意見対立が障害となっている。
会議に出席したパレスチナ自治政府のムスタファ(Mohammad Mustafa)首相は戦後ガザの統治について「一つの政府と統一された治安体制」が必要だと訴え、分断の解消と統治能力の強化を呼びかけた。EU側も二国家解決が依然として現実的な和平の道であるとの立場を強調し、国際社会との連携を重視する姿勢を示した。
EUは地理的にも中東に近く、イスラエルにとって最大級の貿易相手である一方、パレスチナへの最大の支援主体でもある。そのため、双方に影響力を持つ独自の立場を生かし、米国主導とは異なる多国間外交を展開する意向を示してきた。
もっとも、ガザの戦後統治や武装勢力の扱い、イスラエルの軍事行動を巡る評価など、課題は多い。EUが実際にどこまで具体的な成果を上げられるかは不透明であり、今回の会議はその試金石となる。中東情勢が依然として不安定な中、EUの影響力拡大が和平プロセスにどのような変化をもたらすかが注目される。
