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インド・カシミール地方でバス事故、21人死亡、45人負傷


事故は20日朝、ジャンムー・カシミール州郊外の山岳地帯で発生。地元当局によると、定員42人のバスが急カーブでオートリキシャと接触した後、道路を逸脱し、約30メートル下に転落した。
2026年4月20日/インド、北部ジャンムー・カシミール州、バス事故が発生した現場(AP通信)

インドが実効支配するカシミール地方で20日、バス事故が発生し、少なくとも21人が死亡、45人が負傷した。地元当局が明らかにした。険しい地形と過密輸送の実態が改めて浮き彫りとなった形だ。

事故は20日朝、ジャンムー・カシミール州郊外の山岳地帯で発生。地元当局によると、定員42人のバスが急カーブでオートリキシャと接触した後、道路を逸脱し、約30メートル下に転落した。バスは岩場の斜面を転げ落ち、大破した。

バスには60人以上が乗車し、定員を大きく上回る過密状態だった。事故後、一般市民や当局が救助活動に当たり、負傷者は複数の医療機関へ搬送された。亡くなった21人のうち19人は現場で死亡が確認され、残る2人も搬送先の病院で息を引き取ったという。

負傷者の中には重傷者も含まれており、死者数がさらに増える可能性がある。また、オートリキシャの乗員も負傷し、事故の衝撃の大きさがうかがえる。

モディ(Narendra Modi)首相はこの事故を受けて犠牲者に哀悼の意を表明し、遺族に見舞金を支給すると発表した。中央政府としても被害者支援に乗り出す姿勢を示している。

カシミール地方を含むインド北部の山岳地帯では急峻で曲がりくねった道路が多く、交通事故が頻発している。特に老朽化した車両や過積載、運転操作のミスなどが重なることで、重大事故につながるケースが後を絶たない。今回の事故でも、急カーブでの接触と過密乗車が重なったことが被害拡大の一因とみられている。

インドは交通事故による死者数が多い国の一つであり、毎年数十万人の死傷者が出ている。特に地方部では道路整備の遅れや安全管理の不十分さが課題で、抜本的な対策の必要性が指摘され続けている。

地元メディアによると、今回の事故現場も視界の悪い急カーブが続き、ガードレールの設置要請が出ていた。こうしたインフラ面の問題に加え、公共交通機関の過密運用が常態化していることが、事故リスクをさらに高めている。

当局は事故原因の調査を進めるとともに、運行管理や車両の安全基準の見直しを検討している。だが、同様の事故は過去にも繰り返されており、単発の対策にとどまらない構造的な改善が求められている。

多数の死傷者を出した今回の事故はインドの交通安全の課題を改めて浮き彫りにした。山岳地域の交通網を支えるバスは住民の重要な移動手段である一方、その安全確保は大きな課題であり続けている。

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