独ベルリン州議会選挙、住宅不足と家賃高騰が最大の争点に
住宅不足を象徴するのが、旧テンペルホーフ空港跡地に広がるテンペルホーファー・フェルトだ。
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ドイツの首都ベルリンで9月20日に行われた州議会選挙では、深刻化する住宅不足と家賃の高騰が最大の争点となった。ベルリンでは世帯の約85%が賃貸住宅に暮らしており、住宅問題は移民政策などを上回って有権者の関心を集めている。市当局は2040年までに21万1000戸の住宅が追加で必要になると見込んでいる。2014年以降、市内の家賃はほぼ2倍に上昇した。
住宅不足を象徴するのが、旧テンペルホーフ空港跡地に広がるテンペルホーファー・フェルトだ。2010年に公園として一般開放された広大な土地で、現在はサイクリングや散歩などを楽しむ市民に親しまれている。一方、住宅建設用地が不足する中、敷地の一部に住宅を建設する案が浮上し、緑地を守るべきだとする市民との対立が強まっている。
2014年には住民投票が行われ、テンペルホーファー・フェルトの大部分を開発から守る方針が支持された。しかし、住宅事情は当時から大きく変化した。住宅建設を進める立場からは、12年前の住民投票時と比べて住宅需要が大幅に増えているとの指摘が出ている。一方、開発反対派は、都市に必要なのは住宅用地ではなく、社会的・環境的な基盤となる公共空間だと主張している。
ベルリンでは経済成長も住宅問題の背景となっている。サービス産業を中心に経済が拡大し、2025年だけで600社以上のスタートアップが設立された。一方、人口増加と土地価格の上昇が家賃を押し上げ、経済成長の恩恵を受ける都市で生活費の負担が増すという状況が生まれている。
9月5日には高騰する家賃に抗議する大規模なデモも行われた。ベルリンではワンルームや1~2部屋の住宅で月1500ユーロ(約27万円)以上を支払うケースもあり、住宅を確保できない市民の不満が広がっている。2026年の住宅市場についても、募集家賃は高い水準にあり、賃貸住宅の供給不足が続いている。
選挙では各党が住宅問題への対応策を示した。左派政党の左翼党は低価格住宅の建設や家賃の抑制などを掲げる一方、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は住宅不足を移民問題と結び付けている。テンペルホーファー・フェルトの一部開発についても、与党・キリスト教民主同盟(CDU)、自由民主党、AfDが限定的な住宅建設を支持し、社会民主党、緑の党、左翼党は同地での建設に反対している。
今回の選挙では、住宅を増やすために公共空間を開発するのか、それとも既存の緑地を維持しながら別の場所で供給を増やすのかという都市政策上の対立が鮮明になった。家賃高騰と住宅不足は、ベルリンの人口増加と経済成長がもたらした負の側面として、今後も市政の主要課題となる見通しだ。
と極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル党首(ロイター通信).jpg)
